落ちるではなく‟堕ちる”という漢字が使われていると、
より何かから強く、深く落下しているようなイメージがある。
落ちる、という言葉自体が様々な状況で使われているが、
下に、恋に、罠に、精神や品位、地位が、など、
直接的な落下だけではなく、心理的な状況に‟堕ちる”という表現がしっくりとくる。
堕落など、そういった単語も目にすることが多いからだろう。
高校受験で本命の受験校に落ちてしまった時(公開時期的に、これから受験に挑む皆さんにとって嫌な表現とは思うが)、
このままどこまでも落ちて、さらに堕ちて、人生がだめになってしまうような、不安を抱えていた。
再就職の応募や面接に何度か失敗した後も、同じようなことを考えていた。
だから、屁理屈と言われても、前向きに考え続けるしかなかった。
滑り止めでも、受かった学校はあった。
過去に採用してくれた会社だってあった。
まだ次へ、の意思は消えていない。
だからきっと、完全には堕ちていないはずだと。
軽く滑り落ちただけで、どこかから這い上がるために、崖を手で掴んでいる最中なのだと。
落ちるより、堕ちることは案外簡単に出来る。
ただ、その逆に向き合うことはなかなか難しいから。
悔しかったことを思い出して火種にする。
上り続けている限り、自分からはまだ堕ちないのだと、言い聞かせるように。
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