ホクロのない綺麗な肌が羨ましかった。
瞼の真ん中あたりにホクロがあり、昔から少し珍しがられていた。
顎の近くにあるホクロからはたまにちらっと毛が生えてくるので、
定期的に切らなければいけないのが面倒臭い。
頬の近くのホクロはシミソバカスのように見えて、十代の頃は特に嫌悪感が強かったように思う。
セクシーなホクロ、などテレビの特集で観ていた時は、こうもホクロの位置で印象が変わるものかと驚いた。
ただ、生まれ持って現れたホクロを消したり移動させたり(?)という冒険をするには、
あまりにも付き合ってきた時間が長すぎて、今更のような気もしてくる。
化粧で隠しきれない、複雑な思い出が多いこのホクロと、
これからもきっと、付き合い続けていくだろう。
ただ、ある日ふと気づいた、右手の平に発見したホクロだけは、
年々影を薄めてきてるので、少しほっとしている。
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