遺伝は、自分が思っている以上に強固に自分という人間にこびりついているものだと思う。
私は汚点だとは思わないけれど、かと言って良いとも思えてはいない。
私は物心ついた頃には既に外反母趾がひどかった。
母がよく足の指でパーが出来るようにと、足の親指を動かしてくれていたらしいし、
靴もスニーカーぐらいしか履く習慣が無かったのだが、父親からの遺伝に加え、
一時期パンプスを履いたりしていた私の外反母趾は、今も続いている。
右足は長いこと意識付けをしたお陰でだいぶ改善しているのだが、今でも気を抜くと痛くなる。
左足は現在進行形で意識付けをして開いている状態で、なぜか親指だけではなく、
最近では小指も内側寄りになっているのか痛み始めている。
外反母趾は親指についてだけだと思っていたので、もしかしたら小指のそれは別のものなのかもしれない。
顔では、鼻が豚っ鼻のように大きめのため、学生時代の一時期は神経質になっていたこともあった。
これも父からの遺伝だが、鼻が小さめだったとして他のパーツが良いのかと言われればそうでもないため、
その事実を悟ったらあまり気にならなくなった。少し切ないが。
遺伝というのは、たとえ親との繋がりが断たれたとしても、私という人間のどこかしらに残り続ける証のようなもので、
消せたり克服できるものもあるかもしれないが、大抵は残ってしまうものが多いのだと感じる。
もし私にいろんな遺伝を与えた父が亡くなってしまった時、私は私に残された父の遺伝を抱えて生きていけるのかと真面目に考えると、
なんだかたまらなく息が詰まる。
本当にじわじわと足が痛いので意識して避け続ける外反母趾も、今ではどうしようもない豚っ鼻も、
恨みがましく無くしたいと思ったことは何回だってあるのに、無くなった時のことを考えるのも、なんだか揺れる。
こうやって延々と考えてしまうことすら、遺伝による因果なのかもしれない。
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