I-DeA 『self-expression』 | Black Rotala -アクアリウムとか趣味ブログ-

Black Rotala -アクアリウムとか趣味ブログ-

アクアリウムネタ中心に、昔チェックしてた音楽CDレビュー、ゲームのメモ、テニス観戦メモなどいろいろ記事にしてます(^^)/



1st Album
『self-expression』
2004年

01. Whoa feat. SEEDA
02. 毒立毒歩 feat. 漢 & DEV LARGE
03. How I Feel feat. SLANG for Ying Yang
04. きょく feat. L-VOKAL
05. やまびこ44号 -weekend story- feat. FLICK
06. 8面 feat. PRIMAL
07. 暴風雨 feat. 降神
08. Thirsty feat. GOUKI
09. Final Ans. feat. PHYS
10. 霧ノムコウ feat. FUSION CORE
11. Dayz -just like smoky- feat. SEEDA
12. One Night feat. SWANKY SWIPE
13. One Woman feat. RICE
14. 真心眼form1.2 feat. LUNCH TIME SPEAX
15. ストーカー feat. LYRICAL MANEUVER
16. Ultimate Love Song (Letter) feat. MONEV MILS & 漢

★★★★☆

Dev LargeとK Dub Shineとのビーフに端を発して出された音源により宣伝され、そのDev Largeのディスソングもリメイクして収録されることになったI-DeAなるプロデューサーのアルバム。元々Fusion Coreらへの楽曲提供もしていた人物だが、一連のゴシップではなく今作の完成度の高さでもって高く広く評価され、シーンの人気プロデューサーの仲間入りを果たしたといえる。シンプルなトラックながら、時に鍵盤やストリングスなども使ったりしてシンフォニックに哀愁を演出できる手腕はオリジナリティーがあり、センスが良い。客演については、交流のあったDev Large周辺(El Dorado勢)の豪華なメンツも気になるが、MSCや降神といったアングラで頭角を現し始めた面々、そしてSeedaやSwanky Swipe、L-Vokalといった当時ほぼ無名であったラッパーたちが本格的に表舞台に立ったことが注目すべき点だ。特にバイリンガルを駆使した高速ラップを披露するSeedaの#1は、古来ラッパーの一本調子なフローとは一線を画しており強烈なインパクトを放った。本質は根暗ながらキャッチーに歌うようなラップで独特のヒップホップを聴かせる降神の#7も名曲だ。例のDev LargeからK Dubへのディスである#16も欧州映画の死別シーンを連想させる不穏なトラックでアレンジされた上に、パンチ力抜群の漢のフックが加わり格段に格好良くなっている。アルバム自体が新鮮で各曲レベルも一定以上で申し分なく、I-DeA自身およびSeedaらスキルフルな若手MCの出世作となった点でもエポックメイキングな名盤である。世代交代を予感させた作品とも言える。