----------第三章 黒猫-----------------------

 私は夜に向けて着々と準備を始めた。まず携帯電話、そして護身用のナイフ、気休めだがお守り。そうこうしている間に外は暗く闇に染まりつつあった。私は、「よし、行くぞ」と気合を入れあの道へと向かった。

 向かう道中、町はがやがやと賑わい、人々の笑い声があちこちで聞こえる、しばらく歩いて行くとあと少しであの道に着く、住宅街の入り口まで到着していた。恐怖もあったがそれ以上に今まで起こってきた現象がどういうことなのか、それを知りたい、どうにかしたい気持ちの方が強かった。

 あの場所まであと100メートル程になった、私の心臓がすごい速さで脈打つ、今、あの場所には何も見えない、一歩一歩震えながら進み、裕子が殺されていた場所に立った。その場所に着いて1時間は経っただろうか、しかし何も起こらない、異様な感覚も無い、その時、後ろからチリンと鈴の音が聞こえた、私はすぐに後ろを向いたそこには黒猫がいた。「なんだ、猫か」深いため息と同時にホッとした。猫はゆっくりとこちらへ歩み寄る、私は猫が大好きだ、猫が足に擦り寄ってきた「ああ、可愛ぃい!!」心細さもあって私はその猫とじゃれあった。

じゃれあいながらしばらく待ったが、なにも起こらなかった。何も起こらなくてよかったという気持ちとなやるせない様な気持ちの中帰ることにした、猫と別れをつげ、きた道を戻っていった。

           しかし彼女はまた不思議なことに遭遇する...

 しばらく歩いていると街灯の下になにやら黒い物体がいる、「あれ?」と思わず私の口から言葉が漏れた、走って駆け寄るとやはりあの黒猫がいた。走ってここにきたのかな?と思ったが周りを見て驚愕する。あの裕子が殺されてしまった場所に立っていた。体からぶわっと汗が吹き出る。しかし、道を間違えたんだと思い、別の道から帰ろうとしたが・・・ダメだ・・・また戻ってきてしまう、鼓動が速くなる、「早くここから離れないと…」私は焦っていた。

 猫が鳴いた。私は猫の方を見る。猫は私を見ながら背筋を伸ばして座っている。背後から足音がする、振り返れない・・・恐怖が私を支配する・・・私のすぐ後ろで足音は止まった、背後に気配もある、恐る恐る振り返る、、、見覚えがあった...裕子だ...

 裕子は猫の頭をやさしく撫で、私の方へ歩いてくる、裕子は私に対して「はぁ~、やっぱり来ちゃったか...」と言い、続けて私に「何で来たの...」と言った、私は声を張り上げて「何なのよこれ!こんなの意味わかんない・・・」とだけ言い私は泣いてしまった。
 裕子は「あなたはこの事から逃げるのは無理よ、知ってしまったら逃げられない、殺されるまで追われる...死にたくないのなら自分で力を手に入れる以外ないわ...」と言った、私は「力?」と言った。裕子は「とりあえず今日は送ってくから帰るよ。」と言った。私は小さく頷いた。

 それまで出る事の出来なかった住宅街を抜け、もう静かな町を通り家に着いた。裕子は「明日全部話すから家に来て」と私に言うと帰っていった。
                    続く
------------第二章  真実を...-------------------

 いつもと変わらない時間が流れてゆく、特に変化もなく下校の時間に、その日の帰りは夢のことが気になり、いつもの様にカラオケに行ったりせず、その日は裕子と一緒に2人で帰る事にした。帰っている途中、私は直接裕子に夢の話をした。裕子は、いつもの冗談をつっこむような話し方で「はぁ~?、私が食べられた?勘弁してよ。じゃあ今いる私はおばけなの?夢だよ、ゆ~め」と言っていた。
私は「そうだよね」と返すと裕子は「変なの~」と笑っていた。

 家に帰り母が「あら?早いわね、どうしたの?」と聞いてきた、私は「まあ、いろいろとね」と返しておいた。この母は本当の母親ではない。本当の母親は二年前事故で死んでしまった、母と認識出来ないぐらいぐちゃぐちゃだったらしい。その後しばらくしてこの母と再婚したのだが私はまだこの人が母だとは思っていない。

 私は自分の部屋に入ろうと思いドアノブを握った、しかし、異様な感覚が襲い離そうとした、しかし手が離れない、勝手に動いている、ゆっくりだが確実にドアノブを回し開こうとしている、もう片方の手で押さえてみるが意味がない、体で抑えても無理だ、私は完全にパニックに陥っていた。そうしている間に、半分開いてしまっている、その間からこの世のものとは思えない声が聞こえる、私は必死に「閉まってよ!」と叫んだ、そのとき扉がバタンと閉まった。扉が閉まった事で緊張の糸が切れ、床にへなへなと座り込んだ、私は「何なのこれ」と呟き、答えの出せぬまま気絶してしまった。

ハッと目が覚めると私は自室のベットの上で寝ていた。時間は朝7時、昨日帰ってきたのが18時頃だったはず・・・「また夢なの?」と思いながらも、夢では無い気がした、でも夢でないなら裕子が生きている説明がつかない...、現実なのか夢なのか分からず私の頭はぐちゃぐちゃになっていた「何なの一体・・・何で私はこんな事になってるの?もうやめてよ...」と呟きしばらく泣いて決意した。今日の夜あの、裕子が襲われた場所にいくことを...。
                    続く
--------第一章  不思議な夢--------------------

 私はある私立高校に通う至って普通の高校生。
そんな普通の高校生活が変わってしまったのは、あの一年前の冬からだった。

 私はいつも、学校帰りに皆とカラオケに行き、ファミレスで夕飯を食べて帰るという生活をしていた。バイトもしていたし、家もそこそこ裕福だったので、金銭的に困るということは経験したことは無かった。
 いままで不幸という物とは関わったことが無かった。変化が始まる日も、いつもと同じように始まった。

 学校が終わり、いつもと同じメンバーでカラオケに行き、ファミレスで夕飯を食べ友達と別れた。
           しかし、この後からいつもと違った...。

一人になり家へ向かい歩いている途中でさっきまで一緒にいた友達の裕子から電話が掛かってきた。
私は電話にでた 電話口の向こうでは何やら雑音が聞こえる、私は「裕子?どうしたの?」と不思議に思い聞いた
すると裕子は、「助けて!」と叫び、電話口からグチャという音が聞こえた瞬間「いやぁぁぁぁ」と裕子の叫び声が聞こえた、その後もう裕子の声は聞こえなかった。私は今日一緒にいた、他の友達も呼び集め、全員で裕子の帰り道をたどっていった。

 暗い夜道をしばらく歩くと、なにやら水溜りのような物が見えた、その先には2メートルはあるような人ではないと感じ取れる物体が見えた。しかし相手は私達に気がついていないらしく、グチャグチャと音を立てながら何かを食べている。私はすぐにそれが裕子であると気づき、怖さから声にならない叫び声を上げてしまった、それはこちらを向き、ニヤッと笑うとこちらに歩み寄ってくる、私達は腰が抜けて逃げれず、ぐしゃぐしゃに泣いていると、民家から人が出てきた、その人が声を上げると私の友達は我先に逃げていった、出てきた人は化け物につかまり私の前で握り潰され、私は気を失い倒れてしまった。気を失う直前紅いマントをまとった人が現れたような気がした。

 私は、目を覚ますと家で寝ていた。すぐに友達に電話をし昨夜のことを話すと「あんた大丈夫?」と言われた、不思議に思いながらも夢だったのだと思い学校へ行った。

 自分の教室にへ入る まだ裕子は来ていないようだ、夢だったのなら裕子は来るはず・・・遅刻ぎりぎりに裕子が教室に入ってきた、やはりあれは夢だったんだと自分の中で解決しほっとした、、、、が、
その頃ある組織は慌しく動いていた。
                      続く