乗車録 381系 ゆったりやくも 車内 | Black Megalodon Life

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 381系電車は1973年に登場した国鉄特急型電車で、曲線での通過速度を高めるため車内の遠心力を緩和させる振り子装置を採用した日本初の振り子式車両です。曲線区間が多い中央本線のしなの、紀勢本線のくろしお、伯備線のやくもに投入され速達化が図られました。
また、1985年に湖西線で行われた高速試験走行ではくろしお編成が日本の狭軌鉄道の中では最速の179.5km/hを記録しています。
2022年現在、この381系で運転される列車はやくものみとなり、同時に日本国内最後の国鉄特急となっています。またやくもに使用されている381系は2007年から総額20億円をかけ、ゆったりやくもへの大規模なリニューアル工事が施されています。

グリーン車
デッキ
デッキはグリーン車らしく、ダークな木目調のパネルと白熱色のダウンライトなっていて重厚なデザインとなっています。正直金属地が剥き出しなドア以外は国鉄感がほとんど払拭されています。

照明

照明は283系のようなスポット照明+間接照明の半間接照明で構成されており、とても温かみのあるデザインとなっています。正直ここだけを見れば、これが国鉄車であると忘れてしまいます。それ位徹底的にリニューアルされています。


車内


車内は照明と同様283系に準拠した内容に大幅にリニューアルされています。283系との違いはこちらの方が照明の数が多い?のと、エアコン関連なのか窓との間にダクトが設置されています。また、一部の編成ではパノラマグリーンによる前面展望が可能となっている車両もあります。(※パノラマグリーン車は2024年4月5日で引退予定)

座席

リクライニング時
座席も283系と同様の物であり、非常に大柄な1-2列シートです。
座り心地は非常に良く、座面,ヘッドレスト共にフカフカでかつホールド性もしっかり確保され、リクライニング量もグリーン車らしく深く倒れてくれます。
また、寒冷地を走るやくもに合わせてか、こちらはシートヒーターが装備されているように感じました。


フットレスト


テーブル
座席の付帯設備ですが、こちらも283系と同様必要最低限です。フットレストは跳ね上げ式ですが、高さの調整が出来ないため少し不便です。テーブルもインアームド式の小型の物しか装備されていません。(ただこの辺はJR西日本のグリーン車あるあるですが…)

また、登場年次(2007年位?)を考えれば仕方の無い事かもしれませんが、コンセントが全く装備されていないのも欠点です。うp主はあまり気になりませんが人によってはこれが気になる人は少なくないかもしれないです…


普通車
デッキ
普通車のデッキもグリーン車と同様、パネルが木目調となっていて国鉄型特急の寒々しい感じがかなり払拭されています。ただ、こちらの方が、金属地が剥き出しなドアや窓枠や縁等がより原型の面影を感じるデザインとなっています。

照明
照明はこちらも283系のようなスポット照明+間接照明の半間接照明で、もはや原型を留めていない位徹底的にリニューアルされています。正直、照明だけを見たら、これが国鉄型なんて全く分からないです(笑) 後、JR西日本の車両としては珍しく白熱色の照明(グリーン車除く)が使用されていないです。

車内



車内です。窓枠に381系の面影が残っていますがそれ以外はほぼ新車といっても問題無い位、大幅に更新されています。正直、車内だけを見ればこれが国鉄特急車だという事はなかなか信じられないです。流石新車の1~2割位をかけた大規模内容なだけはあります。
それと、座席の位置が床から僅かに高い場所に有りました。スーパーやくも&ゆったりやくも前時代の名残でしょうか?

座席

リクライニング時
座席は完全新規の物に交換されています。ベースは683系の物ですが、座面や背ずりが拡大され包み込むような形になり振り子車向けにアレンジされています。座り心地は683系と同様に硬めですがホールド性に優れています。ただ、こちらの方がコーナリング時のホールド性に優れている反面、心地良く座れるポイントが少なくな少しクセがあるようにも感じます。人によってはここは気になるかもしれません。

余談ですがこの座席、他のJR西日本の車両には一切採用されていない何気にレアな座席だったりします。

脚元の空間は近代の座席では珍しく片持ち式支持ではなく両持ち?式となっています。ですが、シートピッチが大幅に拡大されているためゆったりやくもの名に恥じずゆったりしています。ただ、このシートピッチの拡大である意味お約束とも言える弊害が…
そう、窓割りが合っていない座席が非常に多いのです… これはリニューアル工事の車両に割とあるあるなのですが、リニューアル等の際にシートピッチを拡大すると本来のシートピッチ(910mm)から座席の位置がズレ、窓が見えにくくなったり柱に完全に被ったりして展望性が悪くなる座席が生じるのです…  正直これはかなりの当たり外れですね…

付帯設備

座席周りの設備は、JR西日本特急ではお馴染みの大型背面テーブル+インアームドテーブルの組合わせです。背面テーブルにはドリンクホルダーが装備されています。

ここまで大規模にリニューアルされ、新車並みの内装となった車内について取り上げましたが、実はこの列車、ある種のハズレ車両が存在しています。それが…


そう、座席だけ取り替えた車両が存在するのです… これは2015年秋までくろしおやこうのとりに使用されていた381系を転用した車両で、追加でリニューアル費用を捻出する気が無かったのか、座席の交換だけで済ませています。一応、転用前からリニューアルはされていますが、先程の車内と比較すると正直これはかなりのハズレだと思います…

一応この車両を回避する方法はあり、一つは7号車以外の車両に乗ること、もう一つは種別&行先表示機から見分ける方法です。

このようにゆったりやくも車は表示機がLED式、ハズレ車は幕式になっているのでこのように外見からの判別は可能です。ただ、ハズレ車は指定席で運用されているみたいですので、7号車を避けるのが確実だと思います。
乗り心地に関してですが、個人的には正直非常に悪いと思います… 
まず第一に目立つ悪い点が、下から突き上げてくるような大きな縦揺れ、コイルバネ台車以上に大きな揺れが発生する事があり、正直、滅茶苦茶気持ち悪くなりました(個体差有)。
381系は昔から後述の自然振り子による乗り心地の悪さが有名ですが、この揺れは直線でも発生していたので流石に無関係だと思います…

 その次に悪いと思う点が振り子装置。この381系は日本国内で唯一の自然式振り子(その他の振り子車両は全て制御式)を採用していますが、この振り子が直線での揺れ等を拾い車体のロールを悪化させたり、コーナーを曲がる際に車体を傾ける際、唐突に傾く事があったり、コーナーを抜けた後に唐突に傾きを直したり等、不自然に感じる急な揺れが発生しているような気がします… 正直気持ち悪くなる事もありました。

国鉄時代でも乗客が気持ち悪くなる事が多かったためか、車内にエチケット袋が用意されていたり、当時運用されていたくろしおにげろしおのあだ名が付けられていたりしていましたが、何となく納得しました(笑)

また、車体が古いアルミ製で剛性不足なためか、車体の嫌なビビり振動も多い気がします…この不自然な乗り心地はここも関係していると思います…
静寂性は、国鉄車なためかなり煩いだろうなと想像していましたが、思っていたよりはかなり静かでした。リニューアルにより床が改善された影響でしょうか?それともモーターに容量があるのか、国鉄車にしてはかなり静かでした。

 走りについてですが、アルミ車体で軽量なためか、年代を考えると中~高速域は中々速いです。個人的には普通鋼+界磁添加励磁制御車のJR車両よりは速いと思います。(振り子に関しては前述の乗り鉄の方で記載しています)

 

 

2024年4月4日現在、やくもで使用されている381系が営業運転で使用されている最後の国鉄特急車を記念してか、この2年位で国鉄,スーパーやくも, 緑やくもの全てのカラーリングがリバイバルされました。


国鉄色


スーパーやくも色(パノラマグリーン)

スーパーやくも色

緑やくも
このように昔の姿をリバイバルしてくれるのは、私のように昔撮影する事が出来なかった方達にとって、撮影出来るチャンスとなってくれているので、正直滅茶苦茶有り難いですが、残念ながらスーパーやくも色は後継の273系の投入により、2024年4月5日をもって引退となります。
273系新型やくも
ただ、やっぱりいくら大規模リニューアルされているとは言え、381系の乗り心地は制御式振り子には絶対に敵わない事も痛感させられました。後継の273系は最新式の振り子装置が搭載されているみたいですので、どのように改善されるか楽しみですね。