「よ、ただいまぁ~~~」


その声は、土方だった。


「・・・・!土方さぁ~~~ん」


そう言いながら沖田は、土方を引っ張っていった。


「どこ連れて行くんだぁ!!! 総悟ぉ!!」


それでも沖田は、知らないふり。


いつの間にかついたとこは・・・・・・


「何でカラオケだぁ!!!」


と、すかさずつっこむ土方


「まぁいいから。なんか歌ってくだせぇ」


そう言いながら、土方にマイクを持たせる沖田。


そして2~3曲歌ったとこで沖田が、


「もう帰りますかぁ・・・・・時間もいいころだな」


「なにがだ・・・・・」


土方の声も聞かずに、また引っ張っていった。


「屯所にかえりますかぁ」



パン パン パン


クラッカーの音が鳴り響く。


「ハッピーバースデイ!! 土方さん!!」


あ然としている土方の隣で、ハッピーバースデイと小さくつぶやく沖田。


それから三時間ぐらい経った頃には、パーティーは静まっていた。


すっかり寝てしまった土方。


それを見つめる沖田。


だが。我慢できずつい顔を土方に近づけてしまう沖田。


そんな時、土方の目が覚めた。


「ぬぉ。何してんだ? 総悟。 顔真っ赤だぞ」


「・・・・・・・・・」


少し無言だった沖田。でも、土方の手を握り、


「こっち来て下さい」


そう言って、土方を引っ張っていく。



「土方さん・・・・・・話があります」


「なんだ?」


「オレはいつまでも土方さんの太陽でありたいんです」


「ど・・・・どういう意味だ?」


沖田は、夜空に映る満月を指差す。


「あの満月。はっきり見えるのは、太陽があるからなんですよ。」


「そんなの知ってる」


「だから、オレのいいたいことは・・・・・・・・いつまでも土方さんを照らしていたいんです!!」


そういいながら沖田は、土方を押し倒そうとしたその時。


土方の体がすっと、どこかに消えた。


そしたら後ろから、


「残念だな。お前がオレを照らすぅ? 何年かかるかな?」


そう言いながら土方は沖田の胸に手をやる。


「ひ・・・土方さん・・・・そこまでしな・・・・しなくても・・・ク・・・・」


それでも土方は、


「だめだ。オレがお前を照らすんだから」



土方は夜空の満月を見上げ


「いつかオレと重なって・・・・・・オレを見えなくしちまうんだな」





      満月の夜に・・・・・    END