●東京美術館外
●東京美術館内
●金屏風チックなもの。
既に開催は終わっています。
ゴッホ展 巡りゆく日本の夢
Van Gogh & Japan
2017年10月24日(火)~2018年1月8日(月・祝)、東京美術館@上野
○みどころ
1. 日本初!ファン・ゴッホ美術館との本格的国際共同プロジェクト
本展覧会は、日本における「ゴッホ展」の中でも初となるオランダのファン・ゴッホ美術館との国際共同プロジェクトで、日本展終了後、ファン・ゴッホ美術館でも開催されます。
2. 日本美術がファン・ゴッホに与えた影響をさまざまな角度から検証
ファン・ゴッホは、日本から如何なる影響を受け、如何なるイメージを抱いていたのか。国内外のコレクションから厳選したファン・ゴッホ作品約40点と、同時代の画家の作品や浮世絵など50点あまりによって、その実像を多角的に検証します。
3. 日本初公開!ガシェ家に残された3冊の「芳名録」
最初期における日本人のファン・ゴッホ巡礼を、ガシェ家の芳名録に基づいた約80点の豊富な資料によってたどります。日本を夢想したファン・ゴッホ。ファン・ゴッホに憧憬した日本人。交差する夢の軌跡をご覧ください。
気になった作品は
●《花魁(溪斎英泉による)》フィンセント・ファン・ゴッホ、1887年、油彩・綿布
ファン・ゴッホは画商ビングの店で大量の浮世絵を見て、その鮮やかな色彩や作品としての質の高さに魅せられます。当時まだ安価だった浮世絵を集め、展覧会を開き、模写をし、肖像画の背景にも描き込みました。ファン・ゴッホはパリで印象派の影響を受け、オランダ時代の暗い色彩を捨てて明るい印象派風の作品を描くようになっていましたが、浮世絵と接することでさらに革新的な独自の絵画を生み出すようになります。後のファン・ゴッホ特有の画風、平坦で鮮やかな色面を使った画風は、浮世絵の研究を通じて生まれてきたものです。
1880年代のパリは、ジャポニスム(日本趣味)の最盛期でした。ファン・ゴッホがパリに出てきた1886年には『パリ・イリュストレ』誌の日本特集号が出され、ファン・ゴッホはこの表紙に使われていた英泉の花魁図を拡大模写して《花魁》に描き込みました。この日本特集号の中の日本紹介文は林忠正が書いたもので、日本の美しい風景の記述はファン・ゴッホにも、彼の同時代人にも、美しい日本のイメージを強く印象づけたことでしょう。おそらくこの頃から、ファン・ゴッホは日本と日本人を理想化し始めていたと思われます。そして彼は、浮世絵の中の鮮やかな色彩世界を求めて、「フランスにおける日本」にあたる南仏へと旅立つことになります。
●《夾竹桃(きょうちくとう)と本のある静物》フィンセント・ファン・ゴッホ、1888年、油彩・カンヴァス
日本に滞在した体験をもとにピエール・ロティが書いた小説『お菊さん』を、ファン・ゴッホは愛読していた。画家はアルルの少女をモデルに、小説に出てくる「ムスメ」の風貌になぞらえて肖像画を制作し、少女の「かわいい小さな手の中」に夾竹桃の花を持たせている。『お菊さん』の中にも、ムスメとこの花が一緒に記述されている場面がある。本作では、ファン・ゴッホはエミール・ゾラの小説『生きる歓び』とともに、水差しに挿した夾竹桃の花を明るい色で描いている。
●《アイリスの咲くアルル風景》フィンセント・ファン・ゴッホ、1888年、油彩・綿布
ファン・ゴッホは1888年2月20日の早朝、南仏に着きました。この時の列車の車中での気持ちをゴーガンにこう伝えています。「この冬、パリからアルルへと向かう旅の途上でおぼえた胸の高鳴りは、今もいきいきと僕の記憶に残っている。〈日本にもう着くか、もう着くか〉と心おどらせていた。子供みたいにね。」
南仏での初日は、「60センチを超える」積雪とふりつづく雪の中で始まります。それでも、アルルからの最初の手紙にファン・ゴッホは「まるでもう日本人の画家たちが描いた冬景色のようだった」と記しています。ベルナール宛の手紙には「君に便りをする約束をしたので、まずこの土地が、空気の透明さと明るい色彩効果のためにぼくには日本のように美しく見えるということからはじめたい」と記しています。
日本の浮世絵に魅せられてアルルへ到着し、夏にかけて陽光が明るくなるにつれて、ファン・ゴッホの絵も浮世絵のように鮮やかな色面で描き上げられるようになります。また、日本の画家のようにデッサンできるようになりたいと願い、葦ペンを使った独自のデッサンも数多く描き、浮世絵風の大胆な構図も取り入れています。
上記以外では、
●東海道五拾三次に影響を受けた《渓谷(レ・ペイルレ)》フィンセント・ファン・ゴッホ、1889年、油彩・カンヴァス。岩、川、山などの構図が似ています。
●《アニエールの公園》フィンセント・ファン・ゴッホ、1887年、油彩・カンヴァス。ゴッホの滑らかで優しいタッチが印象的。
●《下草とキヅタのある木の幹》フィンセント・ファン・ゴッホ、1889年、油彩・カンヴァス。療養所の庭にある木の幹、肉厚なタッチで複雑な色合いで樹皮をも細かく表現している。
●《草むらの中の幹》フィンセント・ファン・ゴッホ、1890年、油彩・カンヴァス。晩年に近いこともあり、樹皮に色彩の表現性を持たせている。前年の樹皮の描き方と対照的で、なぞる様で一つ一つがミゾとなるような筆圧でした。
同展示会は、今後、京都国立近代美術館、1/20(土)~3/4(日)にて巡回されます。
http://gogh-japan.jp/access/kyoto.html
今月、再度、上野にある美術館に訪問します。
来期(本年4月から来年3月まで)は、今のところ、食指が動くような展覧企画が無さそう。







