雨旅ーあまたびー
伽藍堂
雛
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伽藍堂「雨だ… 。旅に出ようか…。」
伽藍堂「いってきます。ここに帰ることはないでしょう。さようなら。」
伽藍堂【雨は好きだ。雨は全てを洗い流してくれる。嫌な事も苦しい事も…あの日流した涙も。】
(空白)
伽藍堂【どれくらい歩いただろうか。雨はすっかり止んでしまったが何かが焼ける臭いがする。村でも焼けたか。】
雛「うっ…ひっく…お母さん…お父さん…。」
伽藍堂【嗚呼、可哀想に。村八分と言う奴か…。寄って集って虐めて、終いには火を放つとは。あの子は死んでしまうのだろうか。あんなに幼いのに…。】
伽藍堂「すまないが、少し聞きたいことがある。………その子を私に引き取らせてはくれぬだろうか?…なぁ、餓鬼。俺と一緒に来ないか?」
雛「っ……あな…たは……???」
伽藍堂「俺は伽藍堂、君と同じ半端者だ。」
伽藍堂【周りからの罵声の中、俺は餓鬼に手を差し伸べた。餓鬼は恐る恐る俺の手を取った。暖かい。】
伽藍堂「コイツは私が貰い受けた。返すことは無い。さらばだ。お前らが呪われるその時まで。」
伽藍堂【俺は走った。餓鬼を抱えながら。……これが俺達…半端者達の旅の始まりだ。】