雨旅ーあまたびー⑥
伽藍堂
雛
雛【あれから10年の月日が経った。私はあの後とある街の金持ちの家に買われ、世話係として働いています。あの日から私は伽藍堂さんを忘れた日はありません。またいつかどこかで会えるのではないかと。】
雛「伽藍堂さん。何をしているのだろう。」
伽藍堂【俺はあの後、雛を手放した事を後悔して泣いた。勝手に引き取って、自分勝手に手放した。罪悪感でいっぱいだった。だから雛を探して旅を始めた。あっという間に10年が過ぎていたようだ。】
伽藍堂「すみません、人を探してるんです。雛っていう女性なんです。」
雛「…!あの、すみませんがお名前を伺っても?」
伽藍堂「名前は…俺は伽藍堂って呼ばれてます。」
雛【私は抱き着いた。】
伽藍堂「!?あ、あの!?」
雛「伽藍堂さん。伽藍堂さんなんですね。待ってた。ずっと…ずっと待ってたんです。」
伽藍堂「雛…??」
雛「はい!」
伽藍堂【すっかり大きくなっていた。まぁ10年も経てば当たり前か。人間なのだから。俺達は少し座って話をする事にした】
雛「……。」
伽藍堂「……。」
雛「今はまだ旅を?」
伽藍堂「あぁ、あの日お前を手放して後悔したんだ。過去の記憶を繰り返すのが怖くて簡単にお前を手放した事を。だから、お前を探す旅をしていた。」
雛「そうだったんですね。」
伽藍堂「雛は何を?かなり立派な家のようだが…。」
雛「私は家政婦をしています。」
伽藍堂「そうか。……雛、また俺と旅をする気はないか?そしてどこか静かな村に定住しよう。どうだ?」
雛「お誘いありがとうございます。ですが…家主にお話をしないと…。」
伽藍堂「そうだよな…。悪い。」
雛「少々待ってて頂けますか?」
伽藍堂「あぁ。」
(空白)
雛「お待たせ致しました!行きたいのなら行けばいいと言われました!」
伽藍堂「そうか。よかったな。もう一度聞く。俺と旅をしないか?」
雛「はい!」
