ナショナルトラスト会員なら、権利を行使しないと | 小鳥のさえずり-親子5人ロンドン生活

小鳥のさえずり-親子5人ロンドン生活

ロンドン南東部ブラックヒースでの小鳥のさえずりがBGM生活もついに11年目突入!8歳、6歳、4歳の3人の子供たちに振り回され、1ヶ月が1週間に感じるばたばたで自転車操業な毎日のあれこれを綴っています。

今日(5日)は元々はイチゴ狩りにでも行きたいねーと言っていた。しかし、天気予報は雨だし、朝から小雨が降っているし、無理かあなあと。


「出産までにやりたいことリスト」にはやりたいことがびっちり書かれているし、会いたい人、うちにごはんに招待したい人もたくさん。とはいえ、11月末までの週末の数は限られている。でも昨日までお礼状書きに忙殺されていたから、今週末の計画なんて事前に練れなかった。


うむむ、赤ちゃん物を見にバーゲンでも覗くかという話も出ていたら、なんと空が青くなってきて、太陽まで覗いてきた!この素晴らしい青空を逃さない手はない。じゃあ、どうしようということになった。


イチゴ狩りも行きたいけれども、一緒に行きたいであろうお母さんは、今日は友達と約束があって無理。それならどこかナショナルトラストの持っているマナーハウスにでもドライブにでも行くのはどうだろう、と提案してみた。


ナショナルトラストのどこかに行けば、会員の私たちは入場料はただになるから、ガソリン代(+お茶代)ぐらいで気軽におでかけが楽しめるじゃん?ナショナルトラスト会員なら、権利を行使しないと!


だって、会員になってから今まで小1年で行ったのって、ヨークのベニングボロー・ホール&ガーデンズトレジャー・ハウスシシングハーストキャッスルガーデン 、そしてこの前、コッツウォルズで行ったヒドコットマナーガーデン の4つだけなんよ。全然年会費分も行ってないやん。


急いでうちから近いところにどこかナショナルトラストのプロパティがあるか調べてみたら、あるある!え、こんなにあるのに行ってなかったのっていうぐらい、近めのところにたくさん施設があって、驚き。これまで全然行かなかったのがもったいないね。


で、今日、思いついて急に行くことにしたのは、セブンオークス郊外にあるイグサム・モート(Ightham Mote)。 ナショナルトラストのサイトによると、'Outstanding 14th-century moated manor house'(素晴らしく際立った14世紀の堀のあるマナーハウス)というふれこみ。古い建物がごろごろしている英国でも、14世紀はかなり古い!


しかも'It was the subject of the Trust's largest conservation project, begun in 1989 and completed in 2004'(これはナショナルトラスト最大の保存プロジェクトで、1989年に始まり、2004年に完了した)だって。そこまでナショナルトラストの気合が入った建物、ちょっと見てみたいじゃん?


うちを出たのが15:00という遅いスタートだったけれども、道がすいていたのもあって、結構それなりに距離はあるはずなのに、30分でなんと現地に到着。17:00閉館だったから、すーっと着いて良かった。


お庭も気になるけれども、とにかく閉まってしまう前に建物を見ないと、と中に急ぐ。


mote  →谷の上にあたる部分にある入り口を入ってから、坂を下がっていくと、いかにもなイメージ図通りの英国風景が目の前に広がってくるので、テンションが上がる★


mote2  →イグサム・モート(Ightham Mote) を内側から見た様子。木組みの建物で、広々とした中庭を囲むロの字型の建造物です。


建物の中の写真撮影は禁止されているため、ありません。彼とふたりの印象は、「ここに住んだらと想像出来るぐらいのサイズと現実感を持った建物」だなということ。


中には新旧ふたつのチャペルもあるし、かなりの部屋数はあるんだけれども、それでも大きすぎることがなく、親近感が持てるサイズなのです。


あと面白いのは、最後にここのオーナーだったアメリカの人が購入した後、建物のほんの一部分だけ現代風(1950年代)に改築して、使っていたということ。だからオリジナルのままのすごく古いところから、ヴィクトリアンなスタイルまでいろいろな建築、内装様式が見て取れるんだよね。


オーナーも、この建物の700年に渡る歴史の間にいくつかの一族の間で代わっている訳だから、その家族の好みで雰囲気がちょっと変わってきているというか。


この建物を死後、ナショナルトラストに寄付した最後のオーナーは、建物が建ってからというもの、600年ぐらいの間、ずっと倉庫のように使われていた部分を、ビリヤード室に造り替えているんだよ。その当時は、自分の家にビリヤード室を設けることが上流階級の人の間で流行っていたんだって。そういうことを知るのも面白いなー。


mote3  →建物をぐるっと囲むように、堀がめぐらされています。先ほどと同じ建物を外側から見た様子です。

いろいろ見て周った後は、お茶でほっと休憩。せっかくケントなんて、ちょっと田舎に足を延ばしたんだから、やはりクリームティーとしゃれこみたい。


クリームティーとは、お茶にクリームが入ったものが出てくる訳ではなく、またあの段々のお皿にサンドイッチやケーキが並び、食べたら晩ごはんは無理なハイティーのことでもない、いわゆる日本人が思う「アフタヌーンティーのセット」のことをいう。


「クリームティー」と注文すると、スコーン、クロテッドクリーム、ジャムと紅茶がセットで出てくる。ここでは4.5ポンドなり。


mote4  →彼には「こんな何の変哲もないクリームティーまで写真に撮ってー。さっさとそれ撮り終えて、お茶にしたら。」と嫌がられた。


mote5  →イグサム・モート(Ightham Mote) の敷地内にあるMote Restaurantの雰囲気はこんな感じ。ここのレストランが所有する畑を見ながら、お茶やごはんが食べれる。英国の田舎での午後ならではのゆったりとした時間を陽光を浴びながら楽しむ。


このレストランは、夏は特別に土曜の夜に何回か、ピムス、ストロベリー&クリームに、前菜、メイン、デザートというコース料理を出していたり、クリスマスの頃にはクリスマスディナーや、ボクシングデーランチも提供しているらしい。こんなところで、ゆったり静かにお食事するのも英国らしくていいなあ。


突然の思いつきで行った割にはとても楽しかったよ。これからもっとナショナルトラストの所有する建物を観に行こう、と彼と誓った土曜の夕方でした。


(今回の写真はすべてケント州のイグサム・モート(Ightham Mote) にて7月5日撮影) 


*今回の訪問地:イグサム・モート(Ightham Mote)

Mote Road, Ivy Hatch, Sevenoaks, Kent TN15 0NT
Telephone: 01732 811145 (Infoline)

http://www.nationaltrust.org.uk/main/w-vh/w-visits/w-findaplace/w-ighthammote/