残業代請求 | 残業代請求(サービス残業)、解雇、借金、刑事事件、交通事故などに注力する顧問弁護士(法律顧問)

残業代請求

今回は、サービス残業の残業代請求に関する判例を紹介します(つづき)。 
第四 判断
1 争点(1)について
(1)証拠(略)によれば、被告の各店舗の店長及びマネージャーの権限、役割等について、以下の事実が認められる。
ア 人事に関する事項
(ア)被告関連会社の経営する各店舗では、アルバイト従業員について店長とマネージャーが面接し、採用を決めていた。アルバイト従業員は、マネージャーが独自に採用することもできたが、店長と意見が異なる場合は、店長とマネージャーが合議し、店長が最終的に決定していた。
(イ)アルバイト従業員の人数、時給も店長とマネージャーが決定していたが、それは、各店舗の売上げの二八パーセントで、店長を含む正社員、アルバイト従業員の人件費を賄うという被告代表者が決定した制約があり、アルバイト従業員のシフト(勤務計画ないし勤務表の意味で用いる。以下同じ)もこの制約の下で作成されていた。
(ウ)被告の正社員採用権限は、店長等にはなく被告代表者にあった。
(エ)被告の正社員の賞与、報奨金の査定は、上位の者が下位の者の査定について意見を述べ決せられていた。賞与の決定は、原則として、店長、チーフが行い、店長が最終的に決定していたが、マネージャーにも決定権があった。
イ 各店舗の営業時間、従業員の就労時間外等に関する事項
(ア)各店舗の営業時間は、被告が決めるが、各店舗の営業状態に応じて各店舗の要望で変更されることもあったが、マネージャーには営業時間を決める権限はなかった。また、営業時間の変更は、休業日を含め被告代表者が決定していた。
(イ)店長及びマネージャーの勤務時間、各店舗の従業員のシフトは、店長及びマネージャーが決めていた。
(ウ)各店舗の従業員の年次有給休暇取得は、従業員が店長に申請し、店長が時季変更権を有していたが、店長が不在の際は、マネージャーが代替していた。
(エ)日報は、店長及びマネージャーが閉店後作成していた。
ウ 各店舗のメニュー決定など店舗の運営に関する事項
(ア)各店舗のメニューは、各店舗ごとに、客層などが異なるため、各店舗の店長、マネージャー及びチーフ(料理長)が合議し、被告代表者と相談の上で決めていた。その内容を被告代表者が拒むことはなかった。
(イ)売り上げ目標の検討は、店長とマネージャーとで行っていたが、最終的には店長会議で被告代表者が決定していた。
(ウ)料理等の価格や仕入の無駄がないかなどの売上げの管理、アルバイト従業員の人件費などは、店長とマネージャーが行っていた。
(エ)食材や酒の仕入れについては、店長、チーフ、マネージャーが決定していたが、店舗の改装、什器の購入などは、各店舗を経営する被告関連会社が決定しており、各店舗の裁量に任されていたのは、一か月当たり一〇万円支給される小口現金の限度であった。
エ 各店舗の運営に係る会議等に関する事項
(ア)被告では,各店舗の店長、チーフ、マネージャー、被告代表者及び部長が参加する店舗ミーティングが月に一回開かれ、各店舗の運営状況、売上状況等の問題や改善点が話し合われ、各店舗の売り上げ目標や店舗の営業時間などは被告代表者と話合いの上で決めていた。
(イ)被告では、各店舗の店長、チーフ、マネージャー、被告代表者等が出席する全体ミーティングが三か月に一回程度開かれ、賞与の金額、評価基準を含め給料に関する事項が話し合われ、賞与額の決定については、経費(人件費率と仕入れ率)を勘案し、最低支給額に対する上乗せ額などが決定されていた。 
オ 管理職と一般職との賃金格差について(書証略)
 被告会社の管理職と一般社員との給与を比較すると、基本給では、一般職の最上位の主任(三級)の方が、管理職(サブマネージャーないし店長(四ないし六級))の最下位の四級よりも高額であり、管理職でも五級までは一般職の主任(三級)の方が高額である(原告の基本給は五級の二号、三号に当たる)。
 被告では、主任以上の役職者に対して、役職手当が支給されていたが、管理職の最下位にあるサブマネージャーと一般職の最上位にある主任との差額は六万円(小店)ないし七万五〇〇〇円(大店)であるが、主任以下の従業員に対しては五万円の定額時間外深夜手当が支給されるので、その差は一万円ないし二万五〇〇〇円となる。マネージャーとその下位にあるサブチーフとの役職手当の差は一万円(小店、中店)ないし一万五〇〇〇円(大店)である。
 また、職能手当に付いてみても、一般職と管理職との差は、一万円から八万円である。
なお、企業の担当者で、残業代請求についてご相談があれば、顧問弁護士にご確認ください。そのほか、個人の方で、不当解雇保険会社との交通事故の示談交渉刑事事件多重債務(借金)の返済遺言・相続の問題オフィスや店舗の敷金返却(原状回復)などでお困りの方は、弁護士にご相談ください。