オキニの一人が飼っているワンちゃん。地震のショックのせいで、震災後は何も食べなくなったらしい。3月11日以来、ずっと入退院を繰り返し、何とか点滴で持たせていたが、いよいよ獣医さんから 『考えた方がいいですよ』 と言われたそうだ。安楽死だ。
意見を求められたオレは、犬の状態や彼女自身の生活(一人暮らしで昼の仕事もあり)などに鑑みて、獣医の勧めをサポートした。このままの治療を続けても完治の見込みは極めて薄いらしいし、彼女も治療のために仕事を辞める訳にも行かない。お金だって相当かかる。かわいそうだけど、他に手がないと思われた。
競馬界では、骨折した競走馬は、予後不良として安楽死処分となる。もちろん飼い犬とは状況が異なるが、『他に手がないから仕方がない』 という点は共通だ。
では、これが人間だったらどうだろう?
日本やその他の多くの国では、安楽死は犯罪となる。状況を見兼ねた親族や医師が生命維持装置を外せば罪に問われる。確かにヒトの命は何よりも尊い。よって、人為的にそれを断つのは許されないという考えはとてもよくわかる。
ただ、もし自分が寝たきりになり、呼吸はしているけど生命の躍動も感じられず、却って家族の負担が大幅に増していたら、一体自分は何を望むだろう? 尊厳死を選択するかもしれない。
自分で判断が出来るうちはまだいい。寝たきりになった際、既に自らの判断が出来ない状況だったらどうか? 本人は何もわからないからいいかもしれない。ただ、家族は大変だ。『いつも世話してくれてありがとう』 の一言も言わない。『私を殺す気か』 と悪態をつく。ただ死が訪れるのを待つだけの生活。世話をする親族の物理的・精神的な疲労は想像を絶する。不謹慎だけど、亡くなってホッとしたという感想を持つ親族は相当いるらしい。
単に感情に流されることなく、この問題に正面から取り組む国がある。スイスだ。スイスでは安楽死は合法だ。死を迎えるために、わざわざその国へ行く外国人もいると聞く。
今後、少子高齢化が一層進む日本。日本も安楽死を認めるべきとは言わない。ただ、こういう問題も真剣に研究し、議論をし始めてもいいと思う。
iPhoneからの投稿