からっぽの 家 | none

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夕食の時間だな

まだ軒先に座って 

あなたを 待ってる

大丈夫なのかな

時間の無駄だから 中に入りなさい

お母さんは 言うけど

僕には 時間はあるもん

きっと じきに戻ってくるよ


五歳で すでに独り言 云ってたっけ

何処に行ってたんだよ?

何処に行っちゃったんだよ?

父さん 教えてくれよ


演技でもなんでもないよ

僕が何か悪い事でもしたのかな

この 捻じ曲がってしまった家庭には

この家には居ないんだ 誰も居ないんだ

こんなの 僕が書いた筋書きなんかじゃない

それに きっと 書き換えられたものだよ

この家には 誰も居ないんだ



僕には 価値は無かったのかな

男の子には 親父が必要なんだ

居るかの様に 振舞ってみたりもした

いつだって 大きな存在だったんだ

部屋を何度もウロウロしても

いつも 同じ答しか還ってこなかった

同じ嘘ばかり

どうしてだよ


十八になっても まだ 独り言 言ってたよ

・・・・・・・・・・・・・・・




ガキの頃聴いてた時とは 

また

違った歌に聴こえる


何年前だろう・・・




息子の立場で聴いてた曲

今では 親父の立場で聞く曲になったんだなって・・・



不思議なもんだな・・・