辛くてトイレ泣いていた
だけど、時間もなく私は息子に伝えるしかなかった
涙を拭い平静を装いながら息子へ話しかけた
私『息子、ごめんね
パパさ、学校に送っていく時間に
帰れなくなっちゃったみたいなの』
息子は一瞬、私の顔を見て固まっていた
まだ目が赤かったのかもしれない
そして案の定パパとバイクで行きたかったー!と残念がる息子の落胆ぶり
息子は気持ちの切り替えが難しい…
大人だってなかなか切り替えるのって大変
息子からの必死の訴え
パパと久しぶりに学校行きたかった
パパとバイクに乗って行きたかった
パパと話したかった
パパと、パパとで溢れている訴え
ごめんね、そうだよね。
久しぶりのパパだったもんね
ぬか喜びさせてしまって本当にごめんね
私は何度も息子に謝った
これから宿泊学習に行こうとしている息子の気持ちを乱してしまい本当に申し訳なかった
息子が仕方ないとわかるまで話をして落ち着かせたい、だけど出発の時刻は迫っていた
納得のいく話しは時間もなく息子には不十分だったが、仕方なく急いで学校へ向かった
本当にギリギリで焦った
学校に到着すると道路に大型バスがもう来ていた
これで行くのか~へー
時間ギリギリなので息子は急ぎ教室へ行こうとしていたので慌てて声をかけた
私『息子、お友達と楽しんできてね♪
いろいろ頑張って体験してくるんだよ
行ってらっしゃい』
そう息子に声をかけると、少し緊張しながら
私に手を振り大きいリュックを背負って教室へ向かった
息子の後ろ姿を見ながら今朝の事大丈夫かな?途中で帰るってならないかな…と、とても心配していた
息子の無事を祈りながら私は車を走らせた
運転する車の中でいろいろ思うことがあった
不倫する前、夫の休みの日はいつも家族で
朝食を必ず食べていた
いつからか
仕事が忙しいと終電でも帰ってこなくなり
始発で帰ろうとする事もなくなり
家族揃っての朝食はなくなった
必然的に夫が休みの日にしてくれていた息子の送迎も激減していた
それでも息子はパパは帰ってくるはずだ!と
いつも登校時間ギリギリまで夫が帰るのを信じて待っていた
夫にもその事を伝えていた
仕事もわかるけど、息子の気持ちも考えて欲しいって…
でもどんどん帰宅時間は遅くなって、朝帰ってこなくなって仕事を理由に息子との約束すら守らなくなっていった
※挙げ句バイク事故まで起こす始末
息子のがっかりするその姿を夫は直接見ている訳じゃないからなんとも思わないのだろう
息子を説得するのは簡単じゃない
でも夫にはわからないのだ
息子の悲しむ顔をこれ以上見たくないのに
夫のバイクの後ろに乗って、行ってきます!と私に言いながら2人が手を振ってくれる
また息子と夫の笑顔が見たかった
バイクの後ろに乗ると息子はお気に入りの歌を歌い、アニメの話をしたり自分が興味がある事を話していたそう
休みの日を家族で過ごせていた頃は、夫もその時間をとても大切にしていた
だからバイクで送迎したあとは、今日息子はこんな話を俺にしてくれたんだって嬉しそうに私に話してくれていた
でも息子の至福の時間はなくなった
夫の嬉しそうに話す姿も見なくなった
いつから?
夫が息子を学校へ送ったのはいつだった?
どのくらい息子に我慢させていたのだろう
抑えていた涙がまた溢れてきた
いけない、気持ちが不安定すぎる…
考え事しながらの運転は危ないかも
早く家に帰ろうと家路を急いだ
そして息子が宿泊学習へ行った遥かあと
9時すぎに夫は帰宅した
夫が帰ると連絡してきてから
5時間が経過していた…
あれだけスマホを見ることに迷いがあった私
一方的に振り回され泣かされて息子まで巻き込んで…
今日スマホを絶対見てやる!
本当に仕事だったのか確認してやる!
そう決意した