今日は雨だけど、お届け物のためにリュックを背負って片道10kmの道のりを歩いた。
バイクや車で見る風景よりも詳細に街を見れるから、これも良いと思った。
雨だから車で行けば良いものの、あえて面倒な方法で行こうと思ってしまった。
なぜなのか、その時の俺にはわからなかった。
思い返してみれば、何かに夢中になって、嫌なことを忘れる時間が欲しかったに違いない。
歩き続けて10km未満のところで足の裏に豆ができそうな感覚。
スポーツシューズは雨水が浸みて来るので、防水性のある愛用のミリタリーブーツを履いていた。
目的地に到着。
そこは親父が入院している病院。
「着替えを持ってきたよ・・・」
声をかけても返事はなかった。
リュックの荷物を洗濯物と入れ替える。
かなり異臭がする。
「どこか痛いとか、なにかない?」
俺を見つめる視線はあるけど、何も言ってくれない。
着替えの他にタオルやバスタオルも持ってきたけど、病院の備品を使用しているそうなのでタオルは不要でした。
急に身動きとれない身体になってしまって、不愍でならない。
ここは4人の患者さんが入院している病室。
隣のベットから声か聴こえてくる。
看護師さんが大きな声で応答のない患者さんに声をかけている。
重症なのだろうか。
でも、見ることはできない。
重い空気を感じると早くここから出たくなってしまう。
結局、着替えが足りないので、帰ってから着替えを調達して車で行った。
雨足は強くなってきていた。


