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病気を公表しないと決意し
対処療法などにより
なんとか最悪の状態から
奇跡的に抜け出すことができたその後
自分の中で
あるボーダーラインを決めた。

そして
そのボーダーラインまでの間に
自分がやりたいことを
後悔のないよう
やり遂げられるところまで
やり遂げさせてあげようとそう思った。

体調のこともあり
できる範囲ではあったが
外食や遊びや
温泉や旅行や
趣味などにあけくれ
欲しいと思ったものもできるだけ手に入れて。

その中でも一番重点をおいたのが
友人や大切な人たちとの時間。

この時間は今振り返ってみても
とてもとても大切で
とてもとても愛おしい時間だったと…

長い間休むことなく
喧騒の中を生きてきたので
ボーダーラインから先は
兎に角
誰かに負担や迷惑をかけず
また誰に邪魔されることなく
ひとりで静かな時間を過ごしたかった。

思えば病気になったおかげで
やっと人並みの時間のサイクルで
過ごすことができるようになった気がする。

それまでのものをすべてリセットし
自分のために使いたかった時間が
ボーダーラインから先。 

ここからは本格的な闘病生活に
気持ちを切り替えた。

じゃないときっと
いつまでも病人である自分を
労えなかったと思う(笑)

これは
理解できるひとは理解できるだろうけど
理解できないひとには一生かかっても
理解できないことのような気もする(笑)

どちらにしろ
人は皆違う
どう生きるかはひとそれぞれで
自分らしく生きることは
自分にとってはとても大切なこと。

改めて健康なときの人生とは
全く違ってしまったけど
病気が発覚した後は
先にも記したように
できる範囲の中ではあったが
ほぼ自分が描いてたとおりの
闘病生活を過ごせたのではないかと。

またこのブログでは
綴りたいことが明確だったので
病気や闘病生活の側面を綴ってきた。

常に身近に死というものが隣り合っていて
言葉では言い表せられないほど
もちろん大変なこともいっぱいあったが
総体的に於いては
病気が主導だったのではなく
常に自分が主導だったので
わりと自由気ままに楽しく
過ごせていたように思う。

なので病気に飲み込まれることや
流されることも殆どなかった。

病気を主導にするのではなく
自分を主導にする
これは病気発覚後
自分の人生を歩んでいく上で
とても大事なことだった。

このリンパ脈管筋腫症(LAM)が
どうなっていくのかを知っているからこそ
進行速度の速い黒い猫にとって
限りある時間の中で
できるうちにできることを
後悔がないようやりきることを目標にし
実行していくことはある意味
生きていく糧になっていた気もする。

とはいえ
病気であれ健康であれ
生きていれば
どんなに後悔なく生きようとしても
後悔はしてしまうものだけど(笑)

ボーダーラインから先は
いろいろなものを清算し清算され
より有意義に過ごし過ごせることが
とても大事なことだった。

この時間は
本来ならなかったかも知れない時間なので
できるだけ無駄にせず
自分にとって有効的に使いたかった
とても貴重な時間だった。

誰と比較することもなく
病人特有の心の歪みを持つこともなく
平穏に過ごすことができたように思う。

昨今自分と同じような選択をしている方を
年齢に関係なくよく見かける気がする。

彼ら彼女らは皆自立しており
自分がどう生きるべきかをよく知っている。

考え方が近いので
とても共鳴できる部分が多い。

かつて出会った
大学に在籍中に突然
原因不明の難病が発病してしまった女子が
書いた書籍はとても興味深かった。

彼女は生死を彷徨う
重篤な難病であったにもかかわらず
実家には戻らずに
無謀にも一人で病院近くに家を借りて
ケースワーカーさんに支えられてながら
生活をするという選択をする。

著書の中に
これは生きるための決断である
的なことが書かれていて
ドクターなどは理解できていない様子だったが
黒い猫は彼女のこの決断を
とても理解することができた。

きっと彼女の人生において
病気だけがメインではないからなのだと。

だから自分の力で
生き抜きたかったからではないかと。

その後彼女は
数々の過酷な闘病生活をおくりながらも
自ら自分の道を切り開いていき
別の大学院へと復学もされている。

この彼女の書籍
健康な人たちには分かり得ない
難病者ゆえの苦悩
難病者たちゆえの苦悩を悲壮感なく
赤裸々に上手く描いている。

また彼女の命を救ってくれる病院に
辿り着くまでの経緯や大変さも描かれていて
(これは難病あるあると思う 笑)
彼女もそこに辿り着けなかったら
生きていたかは分からないと…

それが偶然なのか必然だったのか
でもきっと彼女は
まだまだ生きるために
強い何かに導かれたのではないかと
そう思わずにはいられないような
彼女とドクターとの出逢いだったように思う。

黒い猫もそうだったが
こういう運命的な出逢いがあるかないかで
生死の境を分けてしまいこともあるわけで
生きるためには
ある程度の運も必要なのかもしれないと
改めてこの書籍を読んでそう思った。

また本の中には
クスッと笑えるところや
分かる分かると共感できるところや
なるほどと感心させられることなど
いろいろ盛りだくさんで
それをとてもユニークに描かれており
勇気や元気をたくさん頂いた。

自立した考え方ができると
人や何かに飲み込まれ
流されることもなく
病気に飲み込まれ
病気に流されることもない気がする。

たとえどんな状況であれ
自分らしく生きることは
とても素敵なこととそう思う。