先日、郵便配達さんがミュージックルームの外にやってきて、何か、ゴージャスな紫のパッケージを置いていってくれました。

あまりにも美しすぎる包装に、配達員さんも、これは貴重品だと思われたのかもしれません。差出人を見ると、写真家Lisa S. Johnsonさん、彼女の新しい写真集、”Immortal Axes”でした。

2015年のことです。Pファンクがクラブノキアでライブをした際に、バックルームで撮影していただいたのは。その時の模様はこちら。

『Pファンク　クラブノキア　フォトセッション』ブラックバードが新しいギターを持って歩いている写真をご紹介しましたが、なぜそう言う事になったかと言うと、フライト中に預けたギターのブリッジ部分が破損してしまっ…

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現在、ブラックバードがロードに持ち出すギターはフェンダーのストラトキャスター。この撮影当時使っていたのは、別のギターですね。

ブラックバードのギターが、この写真集にフィーチャーされることとなったきっかけは、フランク・ザッパがプロデュースした女の子バンド、GTOsのメンバーだったMiss Mercy。彼女、シュギー・オーティスの最初の奥様で、ブラックバードの古い友人なんです。もう20年以上前から、ずっと声をかけてもらってたんだけど、やっと実現したの。残念なのは、Miss Mercy、本の完成を待たず亡くなってしまった。喜んでくれただろうになぁと思うと悲しい。

写真集は、こんなおしゃれなバックの中に入っていた。

もったいなくて、買い物などにはとても使えない。

ギター満載のこの写真集、ブラックバード、ページをめくりだしたら止まらない。こちらはジミのギター。

そうそうたるメンバーのギターが並ぶの、そりゃ、無理ないよね。

ページをめくるブラックバードが叫びます。

BB：“Wow、ブライアン・メイのギターだ！！！”

どこにもそうとは書いてありません。でも次のページをめくってみると、彼の名前が出てきました。なんでわかるのと聞くと、

BB：“わかるってさぁ、何? これ、ブライアン・メイのギターじゃん。”

ブラックバード、Queenはもちろん好きですけれども、だからといって、壁にポスターを貼っていたり、ライブビデオを見まくったと言うわけではありません。物事が好きと言う事は、時に、すごい能力を人に与えるもんなんだなぁと感心しました。

さて、Miss Mercy、彼女、GTOsのメンバーだったことを、とっても誇りに思っていた。当時一世を風靡したグルーピー達が集まってできたバンドなんだって。バンドと言うのか、彼女達は歌ったり喋ったり、音楽的にそれを支えるのはジェフ・ベックやロッド・スチュアートといった有名どころミュージシャン達。ザッパの掛け声が、どれだけすごかったかをうかがわせるエピソード。

グルーピーって、今ではもう死語なのかなぁ。まぁ、同じようなことをしてる子達は、いつの時代もいるんだろうけれども、シド&ナンシーに代表されるカルチャー、彼女達が伝説を作り上げた時代はもうないなぁ、ある意味、あれこそがロックンロール。

この写真集、ギターの写真がメインなので、時代を作り上げたギタリスト達の姿はほとんどないけれど、彼らの分身であるギターから、その演奏や、生き様までもがこちらに伝わってくる。ピカピカのカスタムメイドギターから、ボロボロになるまで使い込まれたギターまで、その全てが私たちの目を、耳を、人生を楽しいものにしてくれた。そしてそれは、これからもずっと続く。この写真集を見ていると、この世のすべての楽器に感謝の気持ちを表したくなりました。