Blackbyrd McKnight プログレッシブ・ファンク・ロック・ブログ

Blackbyrd McKnight プログレッシブ・ファンク・ロック・ブログ

伝説のギタリスト、ブラックバード・マックナイト。その一環した職人気質な音作りとは裏腹にお茶目なブラックバードの一面を、日本生まれの日本育ち、ミセス・マックナイトがご紹介します。

最近年度行事となっているブラックバードの喘息、まただったんですよね。と言うことで、ブログ、しばらくお休みさせていただいていて、やっとこさ良くなってきた、そろそろ人生を変えたアルバムの続きだなぁと思っていた矢先に、とても悲しい知らせが入りました。

 

皆さんも、既にお聞きおよびのことと思いますが、TMスティーブンスが亡くなりました。皆さんには以前のブログで、彼の代理人の発表をお届けしたことがあります。

 

TMと言えば、ずっと、NAMMショーの時必ず会う陽気な兄ちゃん、よく知ってるわけでもないのに、なんか、とっても身近に感じる存在だった。

 

そんな彼が顔見知りの兄ちゃんからブラザーへと変わったきっかけは、バーニーと始めたバンドSocialibrium(スペル結成当時)。NAMMショーなんかで、彼のライブに飛び入りする事はたまにあったけど、同じバンドでプレイするのは初めてだったね。

 

 

このライブ前のリハーサルでの心温まるエピソードについては、以前のブログでご紹介しました。

 


ご縁というのは不思議なもので、一度ご一緒すると、次々に機会があったりします。ブーツィ・コリンズとの来日は、みんなの胸にも残っているはず。Warwick社のイベントや、TMのツアーにも参加したり、楽しい思い出をいっぱいくれた。人懐っこいんだよね、TM。いつも、“アイ・ラブ・ピープル”って言ってた。音楽を愛し、人を愛し、そして周りのみんなからも愛され、なんて素敵な人生だったの。


もう一度お会いする事は叶わなかったけど、彼の陽気な笑い声が、今も聞こえてくるような気がする。これからはまた、毎日ベースが弾けるね。お空の上のジャムが、一段と強力になったよ。

 

ブラックバードの人生を変えたアルバム十選、4番目に登場するはフランク・ザッパ。キター!!! 20世紀を代表する変人、もちろん、良い意味で。この選択、当然ですよね。

 

 

I was introduced to Frank Zappa’s music by Shuggie, who played bass on the song called “Peaches en Regalia” on the album Hot Rats. His bass playing was incredible. But further listening to the album, I developed a great love for Frank Zappa’s music. This is the first album I heard by Frank Zappa, and it turned me on to a new genre of music composition and changed my life in the way I listened to music. He was obviously influenced by a lot of different styles of music, such as blues, jazz, classical, and rock, which I was, too. Hot Rats had all those elements.

 

僕がフランク・ザッパの音楽を聴き始めるようになったのは、彼のアルバム“Hot Rats”に収録された”Peaches En Regalia”という曲でベースを弾いたシュギー(・オーティス)の影響だ。彼のベースは最高だった。何度も聴き続けているうちに、ザッパの楽曲が大好きになってきた。その初めて聴くフランク・ザッパのアルバムは、僕を新しいジャンルに引きずり込み、音楽の聴き方という点で僕の人生を変えてくれた作品だ。彼は明らかに、様々なスタイルの音楽の影響を受けていた。ブルース、ジャズ、クラシック、そしてロックなど、それは僕も同じだった。“Hot Rats”はそれらの要素すべてを含むアルバムだ。

 

The flexibility of his music and eccentric style of writing expanded my musical vocabulary. Don’t forget; he was also a monster guitarist. Waka/Jawaka and Zoot Allures are the next ones that grabbed my attention. Zappa’s writing on Waka/Jawaka is insane. Zoot Allures has a different groove than what I was previously hearing from Zappa, and I dug it, too. Again not to mention his guitar playing. From that album onward, I got more into Frank’s guitar playing. Like I said, it’s not fair to pick only one.

 

彼の音楽が持つ柔軟性や、エレクトリックな作曲のスタイルは、僕の音楽の幅を広げてくれた。忘れちゃいけないよ、彼は恐るべしギタリストでもあったと言うこと。このアルバムに続いて”Waka/Jawaka”と”Zoot Allures”がまた、僕の心をつかんだ。”Waka/Jawaka”でのザッパのライティングは、もうこの世のものじゃない。”Zoot Allures”はそれまでの彼の楽曲とは全く違うグルーヴだ。それがとても気に入った。繰り返しになるけど、彼のギターもまた最高だった。これ以降、僕はさらにフランクの弾くギターに見せられるようになったのさ。言っただろ、たったひとつに絞るなんてフェアじゃないのさ。

 

<日本語訳: Mrs. McKnight>

 

フェアじゃないと言えば全て通ると思っているブラックバード、今回はなんとか3枚にまで絞りました。

 

さて、フランク・ザッパと言えば、ファンカティアたち、彼の曲、毎度、毎度、ライブの度に聞いてるんだよね。以前、元ネタ特集でご紹介しました。

 

 

そう、"I'm The Slime"です。深いよ、本当にこの御仁。

 

ある日のダウンタウン・ロサンゼルスで開かれた、パネル・ディスカッション風インタビュー。なぜかブラックバードもパネラーに駆り出されていて、インタビュアー、詳しい内容、忘れちゃったけど、ジョージにフランク・ザッパのことについて質問。一方ジョージ、質問も終わらないうちにブラックバードの方を指差しています。まぁ、ザッパについてならばいくらでも語れるブラックバード、マイクを引き継ぎ、その場はなんともスムーズに進行して行きました。さすが、軍団の前音楽監督、ギターを手にしていない時でも、ジョージの一挙手一投足まで見逃すことはありません。そしてインタビュー終了後、

 

Mrs.:”パパ、ハニーがザッパを好きだから、マイク回してくれたんだね。”

 

BB:”何言ってんだよ、ジョージ、答えなんかないから僕に振って来たんだよ。”

 

えええええ!そうなの?ただのめちゃ振りだったのか!まぁ、わかんない時は人に振るってのは、ビジネスの基本ですが。ジョージとフランク・ザッパって、共通するところも多いって印象だけど、まぁ、だからこそインタビュアーもそこをついて来たんだけどね。一見すると、なんの不思議もないシチュエーション、色々と裏があるものです。

 

フランク・ザッパ、ブラックバード、子供の頃にシュギーのおうちで何度かお会いしたこともあって、ちょっと面白いエピソードなんかもあるんですけれども、今回のインタビューではそのご紹介はありませんでした。また、いつか、皆さんにもご紹介できる日が来ると思います。楽しみにしていてくださいね。

 

昨日のコーヒーブレイクは柿と梨、そしてはとむぎポップをビターチョコで固めたもの。これでお肌のツヤは最強のはず!

 

 

もう、皆さん、既にお聞きおよびのことでしょう。


昨夜、突然、ブラックバードの電話にたくさんのテキストが入り始めました。普段は、夜の遅い時間のテキストはスルーするのですが、何か、感じるところがあって開けてみると、悲しい知らせが届いていました。

最初、信じられなかった。アンプが闘病されていた事は知っていたけど、嘘だ、デタラメであって欲しい、でも、嘘じゃなかった。

新型コロナが世界をシャットダウンしてしまう前、ブラックバードが四人組バンドを編成しようとしていて、キーボードは迷いなく、アンプに連絡したの。テキストを送ったらすぐに電話がかかってきて、

AF : “Man!バード!いいも何もないだろ!もちろんさ、お前と一緒にやれるなんてなぁ、夢みたいな話だ!よく連絡してきてくれた、ありがとな!“

って、とっても喜んでくれたの。

結局、コロナでその話は立ち消えになってしまったんだけど、こんな悲しいことになってしまうなんて。あの、嬉しそうなアンプの声が耳から離れない、辛い、悲しい。あんなに喜んでくれたのに、こんなことになってしまうなんて、なんて残酷なの。


2016 @ Hollywood Bawl


とても仲の良かったお姉さんが亡くなり、息子さんにも先立たれ、Mr. Fiddlerでファンカティアたちにもお馴染みのお兄さんまで亡くし、アンプ、いつも陽気で周りを楽しい気持ちにさせてくれたけれど、その裏には、たくさんの悲しみがあった。でも、また、みんなに会えたよね、きっと。

デトロイトが生んだ希代の天才、アンプ・フィドラー、ファンクの領域をさらにさらに広めた功労者。私たち、ずっとずっと大好きだからね。いつまでも忘れないよ、音楽だけじゃない、その優しさ、強さ、本当にありがとう。アンプの笑顔を胸に、前へ前へと進んでいくからね。