著:菊地秀行 ソノラマ文庫
バイオレンス作家ではありますが、ソノラマなので
一応ジュブナイルの範疇に入ります。
この作品は70年代バイオレンスに対して、夢枕獏氏
と並んでホラー要素をとりいれたネオ・バイオレンスの
旗手としての雰囲気がまだあった時代のもんです。
個人的に、なんか段々軽くなっとる気がするので^^;。
超一流のトレジャーハンターである八頭大(主人公)は
老婆の怨霊にとりつかれた青年をみかけ、かかわりあうこ
とになる。
それもトレジャーハンターとしての勘が「何か財宝が・・」
というとこからなんやけど。
その青年の実家は名門だったのだけど、彼の家にとある怪
猫と老婆の伝説があった・・・。
著者のあとがきでも、和風の”怪談”がやりたかっとあり
ますが・・・まさにその通りのおどろおどろしさです。
最近の和風ホラー(有名なやつも含めて)も・・・ホラー
であって”怪談”ではないような気がします。
個人的にはまだ水曜特番の「真夏の怪談特集」や「あなた
の知らない世界」の方が恐かった(ま、子供やったのもあった
のでしょうが)。
ま、横溝正史、夢野久作等、ミステリーと怪談がまだ明確に
分かれていなかった時代のミステリーも、少し恐いんですけど
ね。
吸血鬼映画は論外ですが(個人的に、ホラーは恐がるもん
であって人生哲学なんかいらない)、特殊メイクの凄さや
CGなんかどうやってええんです。とりあえず恐がらせてく
ださい。それが怪談でしょうw。
一番最近”観た”の「こ・・これは!恐すぎ」と思うたのが
残念ながら映画ではなく、ゲームの「零~紅い蝶」の千歳ちゃ
ん登場シーンなのが残念です。
スプラッタは嫌いやけど、怪談映画はみたい!
日本映画で”怪談”を作ってほしいですね。
余談で、このシリーズ・・なじみの方は「エイリアン・シリ
ーズ」と呼びますが、ほんまは「トレジャーハンター・シリー
ズ」というて、主人公が宝探するさい・・・必ずタイトルの
”エイリアン”がからんできます。
「エイリアン怪猫伝」 昭和59年8月31日初版発行