「あい・しんく・そう」 | 雪うさぎ

雪うさぎ

 子供のときから、作文とか読書感想文は苦手で^^。
 つたないながらも、少女漫画と少女小説の紹介をして
いきます。

著:中原千束   FC(少コミ)



 学生時代、あれやけ好きやったのに、悲しいかな

いつの間にか忘れていた作家さんです。

 やはり、実家の物置から全2巻中2巻のみ発掘。


 同じく好きやった「古田久恵」さんと同様、あまり著

名にはなりませんでしたので、古本屋さんに行っても

殆どないので、今のうちにとって、貴重な一冊になり

ました。


 こういうことがある度に、前も書きましたが、とある人

のけだし名言を思いだします。


「欲しいものが手に入らないのは、はがゆいことです。

 でも・・・・

 欲しくて、手に入れたものが、いらなくなるのは悲しい

ことです。」

 忘却も、その中に入るのかな?と、しみじみ思います


 古田久恵さんも、そうですが、この作者も、悪く言えば、

特徴のない、昭和の時代にはありふれた作風・絵柄の

方です。

 逆に、それが、うちが好きでした。

 ’80年代後半から、流行しはじめたトレンディ・ドラマの

ようにドキドキ・ワクワク・ハラハラな、ストーリーを否定す

る気はありませんが、第3者からみたら、ささいなドラマな

のかもしれませんし、劇的なこともありませんけど、こういう

日常にありそうな悩みや”青春模様”をさわやかに描いた

作品って、読んでて気持ちがいいです。


 サツキ(原田早紀:主人公)は、高校に入学したばかりで、

明るいサバサバした活発な女の子。

 幼馴染の悟と、家の都合で遠地に転校してしまったけど、

和代という、親友がいる。


 実は、和代は悟のことが好きで、悟に悪い虫がつかない

ように見張っている。


 (まー、よくある展開なんですけど^^)


 悟は、サツキのことが、好き。

 恋愛には鈍感なサツキの方も、おそまきながら、自分の

気持ちに気づく・・・・・。


 そこへ、サツキのことを気に入っているイケメンの先輩も

からんできて・・・・・そして、和代も親に無理言うて一人、こ

ちらの学校に編入してくる・・・・。

 悟の本心を知った和代は、サツキを敵視して・・・・。


 以前のような友情は、もーなくなってしまうのか?


 と、こう書くとどろどろしてそうですが・・・・・・^^;。

 ラブコメとまではいきませんが、全般的に明るく、読み終わ

った後も、「面白い作品やったなー」とさわやかーです^^;。


 

*注:作品内容のネタバレ

 

 その先輩も、イケメンのプレイボーイキャラなのに、実は”い

い人”やったって(今のようにドラマティックにやなく、さりげなくね)


 先輩と悟がサツキを奪い合うとき。

 サツキ:「私も好きだったのよ。気づかなかっただけなの・・・・」

 先輩:「やっと、言ったね」

 と、かまかける感じで、二人の仲をとりもってます。


 恋愛物語のほうも。

 和代:「私だって、髪短くしたのよ。サツキみたいに。

     明るくなろうと思って一所懸命、努力してるのよ。

     サツキとどこが違うの?わたしじゃだめなの?」

 悟:「しかたないよ・・・・・・。

    きみは、サッキじゃないものな」

 と・・・・・。


 いやあ。これが、少女漫画やよね^^;。



「あい・しんく・そう」第2巻  FC

  昭和57年12月20日 第一刷発行






 サッキお元気ですか?

 ふた月たらずで もどったわたし

 みんなに なにやってんだと笑われました


 思えばサッキが髪を切ったことを

 手紙で知らせてくれた時

 もっと早く気づくべきでした


 サッキの原田くんにたいする気持ち


 そうすれば こんなムダ

 しなくてすんだのに


 ・・・・・でも

 人間ときには こんなムダも

 必要なのかもしれませんね


 だってみんな口ぐちに言うんです

 わたしが明るくなったって


 ねえ

 そう思わない?