色々、皇室典範にゆれていますが、天皇に関しては、失礼
ながら面白い、歴史があります。
1つは、今問題の女性の皇族・・・そして、女性天皇。
社会学上ですと、欧米のような個人主義は「父性社会」、今
は崩壊していますが日本のような集団主義は「母性社会」とい
う分類があります。また、アプローチがちゃいますが、中根千
恵さんの提言しているような「タテ社会」~という分類もありま
すね。
ま、それはさておき、日本というのは、「女系出自」やった時
代があります。
出自とは、系図が父のほうをたどるか、母のほうになるかの
ことです。
現代は、婿養子以外は男系出自になります。
女系出自を表現しとるもので、有名なのが、「源氏物語」です。
「夜這い」という言葉は、現代、少し曲解されたところで、有名
ですが、源氏物語の時代では「夫訪婚」というれっきとした婚姻
制度の1つです。
少し砕けた言い方をすると、「通い婚」といいます。
文化人類学上、別の側面から見ると、この制度は一夫多妻に
なりますので、源氏が、プレイボーイやった・・・やけというわけで
はありませんw。
この制度上・・・「浮気」でもありませんしねw。
系図的には 夫⇔妻(母) ⇔ 父(=母の身内の男兄弟)
↓
家系を継ぐ子孫
どういうことかというと、夫婦と親子が別なんです。
「母」の「子」の教育権(財産相続権)は、「その家にある」という
思想なので、母が産んだ子供の父は母の男兄弟(いない場合は、
母の父親)がなります。
社会学的には、これを「権利の譲渡の権利」がどこにあるのか?
ということになるのですが、それはおいておきます^^。
日本には”たわけ”という言葉がありますが、これは財産を相続
問題で分割してしまうのは、愚か者・・・というところからきています。
元々は、この通い婚方式でしたので、よほどのことがない限り、田
分けることはありませんので、相続問題はおこりません。
なんせ、夫は単なる種馬で、自分の遺伝的な子供に対する一切
の権利がなく、父としても認められないのですから^^。
ですから、現在のような、相続問題は、おこりません。
もう1つは、象徴天皇制。
いわゆる天皇を利用した魔術的支配といわれる、天皇制度発足の
歴史については、山本七平さんの「日本人とは何か?」に詳しいです。
戦後、米国の手によって「象徴天皇制」という名目を与えられました
が、元来、天皇が政治の実権を握ったことはない、という説がありま
す。
そういったことから、なんで、女性皇族の問題に関して慎重になる
のかわかりません。
近代初の女性天皇の誕生も、良いお話ではありませんか。