著:菊地秀行 コバルト文庫
「吸血鬼ハンター”D”」や秋せっちゃんの
「マン・サーチャー」シリーズで人気のバイオ
レンス作家の方が、本人曰く「少女小説という
ことは、あまり意識せず」に描いた短編4編で
す。
イラストは、「めるへんめーかー」さん^^。
彼のあとがきには、必ず、「***を観ながら」
とホラー映画のタイトルが書かれているのですが、
この作品のあとがきでは、「血とバラ」でありました。
この映画をしっとる人ならわかると思いますが、
レ・ファニュの古典怪奇小説「吸血鬼カーミラ」を
根底にしている・・・と思います。
「夕映えの女(ひと)」
「薔薇戦争」
「蒼い旅路」
「白い国から」の4つ短編で成り立っています。
それぞれの主人公が遭遇する”事件”の裏に
見え隠れする”白い女(ひと)”。
彼女は、多分、吸血鬼。
ただ、彼女は、自ら望んで、血を吸っているわ
けではない。
「覚えておいて。私は一度も、彼らのもとを訪れ
たことはない。彼らが招いたのよ。声には出さず、
ただ熱い想いで」(「蒼い旅路」より)
どれも、センチメンタルな作品なんですが・・・・
あとがきで著者がいうとる通り、「少女小説」と
しては・・・・でしょうか。
少女小説としなら、OVA「幻夢戦記レダ」の
ノベライズ版(菊地さんがかかれました)、のほう
が、少女小説ぽかった・・・というか、当時は、少女
小説にファンタジーは殆どありませんでしたが、
主人公・陽子の恋心の描写とか・・・「これは、少女
小説でしょ?」と思うたくらいです。
そして、こういう描写を、「アノ・バイオレンスな作
家の菊地秀行さん(失礼w)が、描くのかーーーー
?」とw
この作品は、どれも、男の子が主人公なんです
が、もし、女の子の主人公の作品があったら・・・・
多分、とても素敵な作品が出来上がっていたの
かな?と想います。