クレームの来た翌朝、オレはいつも通り淡々と出社し、惰性で業務の準備をおこなっていた。
与田さんいわく「会社が飛ぶ」かもしれない事態であるから、それなりに緊迫しているべきなのかもしれない。
だが、別にいつ潰れてもかまわない、という心もちを抱えて働いてきたので、オレは格別テンパることもなく、ダラダラとPCを立ち上げたりしていた。他の多くの社員も同様の様子である。劣悪の労働環境で過ごしていると、トラブルがトラブルとして実感できなくなるのだ。
マヒなのかもしれない。
感覚が鈍魔しているのである。
そんなわけで始業後10分で早速オレは屋上にあがり一服をキメ始めた。曇天を見ながら物思いにふけろうか、という刹那、視界の端にやや険しい表情の痩身の男が現れた。
景山であった。
「高田くん、、、社長が来ないんだけど、、、いち早く先方とアポをとってお詫びにあがるべきだとおもって待ってるんだけど、、、、」
景山は、厳粛な面持ちでそう話し始めた。自分も謝罪に同行するべく、ビシっと正装している・・・入社まもない景山にとって、今はまさしく非常事態、全身全霊をもってトラブルを処理すべきときのようだ・・・大半の社員は弛緩しきっているのに・・・
オレは何と言葉をかけるべきかしばし逡巡したものの、意を決して口を開いた
「・・・景山さん・・・社長は来ないとも思います・・・しばらく休むんじゃないでしょうか・・・」
オレの発言を理解しかねたのか、それとも自分の入った会社の不条理さに虚をつかれたのか、景山は放心したような表情をしたのち、眉間にしわを寄せたままうつむいたのだった・・・
与田さんいわく「会社が飛ぶ」かもしれない事態であるから、それなりに緊迫しているべきなのかもしれない。
だが、別にいつ潰れてもかまわない、という心もちを抱えて働いてきたので、オレは格別テンパることもなく、ダラダラとPCを立ち上げたりしていた。他の多くの社員も同様の様子である。劣悪の労働環境で過ごしていると、トラブルがトラブルとして実感できなくなるのだ。
マヒなのかもしれない。
感覚が鈍魔しているのである。
そんなわけで始業後10分で早速オレは屋上にあがり一服をキメ始めた。曇天を見ながら物思いにふけろうか、という刹那、視界の端にやや険しい表情の痩身の男が現れた。
景山であった。
「高田くん、、、社長が来ないんだけど、、、いち早く先方とアポをとってお詫びにあがるべきだとおもって待ってるんだけど、、、、」
景山は、厳粛な面持ちでそう話し始めた。自分も謝罪に同行するべく、ビシっと正装している・・・入社まもない景山にとって、今はまさしく非常事態、全身全霊をもってトラブルを処理すべきときのようだ・・・大半の社員は弛緩しきっているのに・・・
オレは何と言葉をかけるべきかしばし逡巡したものの、意を決して口を開いた
「・・・景山さん・・・社長は来ないとも思います・・・しばらく休むんじゃないでしょうか・・・」
オレの発言を理解しかねたのか、それとも自分の入った会社の不条理さに虚をつかれたのか、景山は放心したような表情をしたのち、眉間にしわを寄せたままうつむいたのだった・・・
