気が付くと男は南太平洋の孤島にいた。

男はアンタレス星雲の国家議事堂に連れて行かれたはずだった。あれは夢か。

男は腹が減っていた。周りを見渡すと孤島と言っても、ちょっとした山があり、ヤシの木がたくさんあった。

男は、ズボンのベルトを外すと、側にあった石を結び、ベルトを振り回すと空に投げる。ベルトの石はヤシの木の実を3個打ち落とした。

それから、男は、スーツのポケットから五徳ナイフを取り出すと器用にヤシの実に穴を開けて、甘い香りのジュースを飲んだ。

男は、素っ裸になると、海に向かった。わずか10分ほどで、男は柄のある魚を数匹ヤシの枝にさして上がって来た。

男は、ライターの火で焚き火し、器用にヤシの枝に差した魚を焼いて食べた。

南国らしく、夜になってもあまり温度は下がらない。

男は満天の星を見ていた。しばらくすると、遥か彼方の太平洋上に国籍不明の原子力潜水艦が浮かび上がって来た。男を連れ戻す為に。