「こんにちは。橋本良亮です。」
「五関晃一です。」
「河合郁人です。」
今日はラジオの収録。
その後に雑誌の取材。
その後に歌番組の収録。
仕事があることはいい事だ。
とても嬉しい。
ありがたいし感謝してる。

でもアイドルも息抜きがしたい。
A.B.C-Zは今年こそ頑張り時だとはわかってる。
注目され始めたからこそ、余計な報道などに気をつけなければならない。
まして彼女は一般人だ…。

わかってるからこそ大事にしなければならない。

今日一日の全ての仕事を終えて、支度をしてテレビ局を出る。
ニット帽をしてメガネをしてマスクをして。

帰り道…帰り道。
だから仕方ない。
自分に言い聞かせて花屋の前を通る。
チラッと店中を見ると彼女が閉店作業をしていた。
姿を見れただけで喜んでいる俺はもう末期だ。
そのままサッと通り過ぎようとすると
「あの!お久しぶりです。最近見かけないからどうしてるのかなって思って。」
と店中から急いで出てきた
「最近忙しくてね。」
嘘。
わざと会わないようにしてた。
「さっき休憩時間にミュージックステーション見てたら出ていて驚きました!」
「あ、見てくれたんだ、どうだった?」
恐る恐る聞くと
「はい!かっこよかったです!」
と満面の笑みで俺を見てきた。

その瞬間完全に心を射抜かれた。
この子を守りたい。
この子と一緒にいたい。


俺は彼女を抱きしめていた…。