町村前衆議院議長の死去に伴う衆議院補欠選挙が4月24日に行われました。
結果は、ご存じのとおりで、町村氏の娘婿の和田よしあき氏(自由民主党)が当選しました。
敗れたのは民進党、共産党、社民党、生活の党の4党が推薦した池田まき氏(無所属)です。
安保法案成立に端を発する野党共闘で共産党が独自候補を取り下げました。これにより実現した「現政権vs野党連合」の構図でしたが、接戦の末、現政権側が勝利したかたちとなったわけです。
選挙結果を改めて見てみると、
和田よしあき氏 135,842票
池田まき氏 123,517票
で、有効得票数で見ると52%と48%という大接戦となりました。
一部報道で物議を醸した「当確のタイミング」について少し触れてみます。
上の画像を見てもらうと、大接戦ではありますが得票数が少ない和田氏の方に当選確実が出ているのがお分かりいただけるかと思います。
これは、まだ開票が始まっていない投票所の出口調査などの結果を受けて、マスコミが独自の判断で出しているものです。出口調査で圧倒的な差が認められれば、開票率0%で当選確実が出ることも珍しくありません。
出口調査とは、新聞社などのマスコミが投票日当日に主要な投票所へ赴き、「誰に入れましたか?」などと聞いて回り集計したものです。投票者は答える義務はありませんし、本当のことをいう義理もありません。なので、誰も答えなければ出口調査の結果は当選確実の判断には使えなくなりますし、ウソの回答ばかりであれば当選確実の判断を大きく誤ることになります。
しかし、日本人は親切で正直ですから、ほとんどの場合はこの出口調査の結果通りに決まります。(ごく稀にひっくり返ることがあり、その際には大変な騒ぎになります。当然ですが。)
私は出口調査には否定的な見方をしています。たくさんの税金を投入して、準備・運営している選挙。開票にもたくさんの費用と時間、そして労働力が投入されています。それなのに、出口調査というマスコミ(要するに公的な機関ではない一般企業)の発表する数字だけで、万歳三唱したりダルマに目を書き入れたりしている様子は見ていて非常にモヤモヤします。
今回この記事を書いた本質はここではありませんので、この程度でやめておきますが、この制度もぜひ見直してほしいと思います。
さて、ここからが本題です。
冒頭からお話ししている通り、衆議院北海道5区補欠選挙は和田よしあき氏が当選しました。得票数をおさらいします。
和田よしあき氏 135,842票
池田まき氏 123,517票
選挙管理委員会や各自治体のホームページには男女別や地域別などの詳細な情報も掲載されています。その中で注目したい数字・・・というか数字の変化がありましたので、このブログを見てくれている数少ない読者さんに伝えたいと思います。
こちらは千歳市開票区の22時時点の速報です。上の当選確実が出る約10分前ということになりますね。
画像が見づらい、あるいは見えない方のために文字起こしすると、
和田よしあき氏 12,000票
池田まき氏 13,500票
です。1,500票差で池田まき氏がリードしています。
この数字を見た上で、下の画像をご覧ください。
こちらは千歳市開票区の最終結果です。文字起こしします。
和田よしあき氏 25,591票
池田まき氏 14,439票
です。11,152票差を付け和田よしあきが千歳市投票区では圧勝しました。
ん?ってなりませんか?
22時の速報からの推移(増加票数)をみると、すごいことが起きています。
和田よしあき氏の22時以降の増加票数
25,591票(確定)-12,000票(速報)=13,591票
池田まき氏の22時以降の増加票数
14,439票(確定)-13,500票(速報)=939票
グラフにすると、22時の速報発表後からの得票数の差がより鮮明になります。
22時の時点まで大接戦だった両者の得票数に、凄まじい開きが生じました。
当然ですが両者の得票率の変化としてもすごい差になります。
書かなくても分かると思いますが、強烈なのであえて数字で出します。
和田よしあき氏
22時まで:47.1% → 22時以降:93.5%
池田まき氏
22時まで:52.9% → 22時以降: 6.5%
すごくないですか?この偏り!
突然何が起きたのでしょうか!?
今までこんなに細かく計算したことないので、前例は知りませんが恐らく日本の選挙史上に残る奇跡的な偏りだと思います。
世間的にも大きく注目された選挙でしたが、こういった事実(史実)こそ、マスコミにはもっと大きく取り上げてほしいものです。