先週水曜日くらいから週明けまで、ぬか漬け仕込んでなくて

週明けから、再開しているのですが、

ぬか漬け食べてる間と、食べていない間のお通じの差は歴然で。

腸内環境にぬか漬け最強感を、実感しています。

 

今日は、ニンジンとキュウリです。

ぬか漬け始めたころも、ずっと嫌いだった人参。

徳島県産の人参に臭みが少ないことに気づいて、

しばらくはニンジンと言えば、徳島県産を食べていたのですが

最近では、ニンジンのぬか漬けが、ほんまに美味しくて(笑)

多分、いま漬かっている人参は、千葉県産。

もやは、どこ産でも美味しい私。

 

そんなお通じの良さが、一発で詰まりそうな、後味の悪い映画を観てしまったよ。

ナチス第三の男

 

これから映画観る人は、ここで引き返してもらいたいですが、

(ネタバレしまくります)

迷っている人には、あまり・・全然おススメしません。

目覚めも、寝つきも、お通じも悪くなること間違いなし。

歴史的史実を取り扱った映画なので、

ネタバレというほどのアレでもないかもですが

ネタバレせずに書くのは至難っていう感じです。

 

 

 

 

原作は、『HHhH』ってう本で、

これは私、読んだことがないんですが、

2014年度翻訳小説部門 本屋大賞 第一位!!

ってことで、わりと注目されていた本だったんです。

 

それもあったし、チラシの

「なぜヒトラーでもヒムラーでもなく、彼だったのか?」

っていう煽り文句にも心を惹かれたし

 

市井の人々が、どんなふうにナチスに心酔していくのか

ナチスが、ハイドリヒが、どんな経緯でホロコーストなんていう思想に

のめりこんでいくのか、興味があったんだけども。

 

なんだろうこの映画。

たしかに、言葉を失う衝撃。圧倒的なリアリティ(←予告チラシより)

だけど、それはなんていうか。

ユダヤ人虐殺の殺害シーンばっかり、なんだよ。

それを、そこまで、映画館で、みせる必要あるの?

それは、事実として、そうだったことは、わかっているから。

もう、いいよ。

 

 

それでね。ハイドリヒの人間性みたいなものは、描かれていない。

彼は、海軍時代に、軍のえらいさんの娘さんと付き合っていたみたいなのね。

合意の上だろうけど、いきなりその娘さんとの激しすぎるHシーンから始まって

そんなお付き合いをしている人がいるっていうのに

ナチス党員でもある別の女性と知り合って、恋に落ちて、結婚を決める。

えらいさん激怒。→ 軍法会議→不名誉除隊処分

自暴自棄になっているところ、恋に落ちたお相手は寛大というか、
それでも結婚するって言ってもらえて、思想的な何とかはなく

すんなりナチス入党。

案外、そんなものかもしれないけどね。

だけど、ホロコーストだよ?

そこまで、それだけのことで、踏み外していくかしら。

 

この娘さんが、ヒムラーとどういう関係だったかうろ覚えだけど

なんかめっちゃ親しい間柄だったみたいで、

多分もっと、政治的にも、ナチ党員としても活動していたんじゃないかな。

じゃないと、入党して数か月のハイドリヒがいきなり、高官への道を歩むとは思えない。

 

で、夫がめっちゃナチスで頭角を現していく過程で

(といっても、成長?していくシーンみたいなのは一切なくて、

 ヒムラーと面識を得たと思えば、いきなり高官みたいな・・)

夫が何をしているのか、もちろんわかっているよね?

なんだけど、彼女の最初の役割はともかくとして、

政治的だったり、思想的な葛藤みたいなものは全然なくて、

ただ、忙しくなった夫が家庭を顧みない

仕事で出張になったことすら、私には言ってくれないとか

ヒステリックになったりするシーンを挟みつつ、

愛情深い妻として、くらいにしか後半は描かれていない。

 

タイトルこそ「第三の男」だけど

彼が暗殺された事件の狙撃犯たちの側からの視点が後半にあって
後半は、なんだか別の映画に変わってしまったような違和感。

 

こういうのは小説では良いと思う
私の大好きな北方先生の小説でもよくあるけど、

いろんな登場人物の語り?が入れ替わる手法ってあると思うんだけど

映画で、しかも2視点のみって、成り立たなくない?

 

史実的に有名な事件のようだし、

(このへんは勉強不足なので、詳しくは知らなかった)

忠臣蔵とかみたいに、「みんな知ってるよね?」的な事件なのかもしれないけど

映画である以上、

背景を知らない人にも、ある程度わかるようにお願いしたいっていうか。
唐突に、入れ替わるから

いままでのハイドリヒの話って、前振りに過ぎないのかな?って感じ。
じゃー、第三の男じゃなくてさー、レジスタンスの側からのタイトルにすべきじゃない?

 

それにしても、彼らの背景が、少なすぎる。

感情移入できるほどに、彼らが描かれていないというか。

雰囲気はね、伝わってくるけど。

それは、今までに読んだり観たりしたナチスやらレジスタンスやらの知識を

なぞり返す程度っていうか。

 

レジスタンスの仲間の密告で、結局のところ

狙撃犯たちが追い詰められて、全員死ぬわけだけど

なんですんなり密告したんだろうか?っていうとこすら、描かれていないから

まったく、なんていうか、スルリと手から滑り落ちていく映画でしかない。

歴史ってそうだったよねーな、おさらいというか。

 

それにしても、断片的なシーンが、ほとんど残虐で。

 

ハイドリヒ殺害の報復で、二つの村の住民を全員殺すシーンとか

ユダヤ人の虐殺シーンとか

レジスタンスを匿っていた家族への(しかも子供)拷問シーンとか。

彼らと、ナチスの軍隊との闘いシーンだって

バンバン人が死ぬわけよ。

 

 

 

ああ、命が軽いな。

 

 

もうね、何も残らない、後味だけがめっちゃ悪い。

映画観る前に慌てて食べたおにぎりを、消化不良で吐きそうになった。

 

ナチスドイツとはっていうところには

まったく触れていないというか。

そのあたりは、監督がフランス人(西洋の人)だから

タブーなのかな。

 

得るものも、なければ、エンターテイメントな要素もなく

ホロコーストの題材でエンターテイメントなんてありえないけど、

一体、何を伝えたかったんだか・・・

 

つまんない映画だったな。

 

ちなみに、映画のチラシに

『HHhH プラハ、1942年』っていう原作を書いた著者の言葉として

小説とは別物であるけれど、

 豪華キャスト、美しい音楽、

 そして東欧の雰囲気の再現も見事で、

 すばらしい映画だ。」

って書いてあったのね。

 

つまりは、それだけの映画だったってことなのかなーと

思ったりもした。

あんまりな映画だったので、チラシ見返したの。家に帰ってから・・。

豪華キャストも、音楽も大事だし、
歴史映画に、当時の雰囲気の再現って大事だけど
全部、なんていうか本筋の外のことだよね。

ああ、意図が読み取れなかったわーーーーーーーー。

(そんな意図じゃなかったのかもしれないことは、付け加えておきますが)

 

原作、読んでみたほうがいいのかな。

(でも、めっちゃ高額本で、躊躇する・・・)