ヤミ金融の取り立てに悩んだ大阪府八尾市の夫婦ら3人が心中した事件で、ヤミ金融の恐ろしさが分かりました。

 一万五千円しか借りていないと言うのに、{一カ月半で法定利息(年29・2%)の約二百七十倍にもなる利息}約十三万五千円の利息を払わされ、利息を払うためさらに二十近いヤミ金業者から五十万円借り、総額で二百万円を返済、それでもまたお金を借りたヤミ金融から鳴り止やまない電話、しまいにはヤミ金業者からの電話(深夜に)は夫婦の自宅の隣近所にまで・・・。

 このニュースを知れば知るほど、心中した夫婦の心境が分かり悲しくなりました

 十五年春、突然一本の電話がかかってきた。これが「ヤミ金地獄」の始まりだった。自己破産者はブラックリストに載るので、銀行や消費者金融は融資しない。そこにヤミ金業者が付け入る。


 約一万五千円を借りた。それなのに、一カ月半で法定利息(年29・2%)の約二百七十倍にもなる利息約十三万五千円を支払わされた。


 主婦は毎日のように次兄(81)に相談した。「業者から次々に電話がかかってくる。何とかしてほしい」。次兄は涙声で助けを求められるたびに、貯金を崩すなどして工面したが、まもなく貯金は底をついた。


 利子を返すために借り換えた業者もヤミ金融。主婦は二-三カ月で、二十近いヤミ金業者から約五十万円を借り、総額で二百万円を返済した。だが、追い打ちをかけるように、返済を迫る電話は昼夜を問わず鳴り続けた。


 ヤミ金業者からの電話は夫婦の自宅の隣近所にまでかかった。それも深夜に。


 「あいつを呼んでこい」
 「おまえも保証人になっとるんじゃ」
 理不尽な取り立てで追いつめられた主婦はたまらず、隣家に駆けつけ、電話を代わった。怒声が響く。
 「殺すぞ! 殺すぞ!」
 疲れ果てた主婦が静かに口にした答えを、近所の人たちは覚えている。
 「殺してもいいよ」
 電車に身を投げる直前、主婦は殴りつけるような文字で遺書を書いた。
 「いくら返しても完済にしてくれない」
 「毎晩、毎晩、デンワにおびえています」
 「悪徳業者に負けてしまった」
 「主人も兄も私に同情して死を決意してくれました」


 十五年六月十四日未明。主婦は、夫と長兄と一緒に八尾市の踏切の線路の上にしゃがみ込んだ。JR関西線の電車にはねられ、即死した。


 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060309-00000019-san-soci

 

三宅 勝久
サラ金・ヤミ金大爆発―亡国の高利貸
それでも元金はいっこうに減らなかった。