Steve Cropper 番外編 | Music and others

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 たまたまですが、『Dedicated』に関するスティーヴ・クロッパー(Steve Cropper)のインタヴュー記事を探していた時に、面白い記事に行き当たりました。

それをいくつかエピソードとして、ピックアップして紹介したいと思います。


あのオレンジ・アルバム、『Jeff Beck Group』、をプロデュースした時の話が出ていました。 記事は、ギタープレイヤー(Guitar Player)、時期はフェリックス・キャヴァリエ(Felix Cavaliere)との2枚目のデュエット・アルバムがリリースされた頃、すなわち、2011年と思われます。




● 2011年のインタヴューにも拘らず、何故か40年以上も前のジェフベックグループの2ndアルバムのプロデュースの事を聞かれています。 記憶だって相当に曖昧になっている筈ですから、無理があります。


もし、自分が若いギタープレイヤーに出来るアドヴァイスがあるとしたら、それは「ジェフ・ベックを聴きな」と云うことだ。ギターについてそんなに沢山の事は知らないけど、何が出来るのかは十分に知っているよ。 そして、ジェフと一緒にいて、彼の手やアイデアは実際に見たよ。でも、どう演ればあんな風になるのか、見せてはくれなかったよ。(笑)
例を挙げれば、"Going Down"でのプレイは画期的だと言えるし、どうやればいいのか話し合いたいよ。



◇  ”Going Down” by Jeff Beck Group in '72






●  レコーディング当時のジェフの使用した機材は、ペイントが剥げ落ちたテレキャスターに、アンプはマーシャルではなく、スティーヴ自身の愛用していたオールド・トゥィード・ギブソン(old tweed Gibson combo)だったそうです。





●  ジェフベックグループのレコーディングセッションにおいて、何かマジックは起きたのか?

もし、”マジック”と云うヤツを知りたいなら、それはオーティス・レディング(Otis Redding)の時代まで戻った方がイイよ! スタジオ内ではオーヴァー・ダブなしの一発録りだった。 終ったら、誰もが直ぐにコントロール・ルームに入り、そのテークを聴き返す事が待ちきれなかったよ。 ある時、テークを聴いていたアル・ジャクソン(Al Jackson)が一言言った、「おい若いの、必要とするもの全部揃ったぜ!」と・・・・・。




●  スティーヴ・クロッパーのメインギターは、アンプ・メーカーであるピーヴィー(Peavey)社が製作したプロトタイプの"Generation Series"と"Cropper Classics"の2タイプだそうです。 市販されていないモデルであり、いわゆるカスタム・メイド・モデルのようです。ピーヴィー(Peavey)社が一般に発売しているモデルはかなりチープな感じで、とても同じ深みのあるトレブルな音は出ないと諸氏がウェブ上で評価しています。


後は、当然ながら以前より愛用しているフェンダー社製のテレキャスター(Fender Telecasters)を数多く所有しているようです。 とにかく、クリーンな音が好みの様で、あまりエフェクター類も使っていないようです。Voodoo Lab 社のトレモロ(Tremolo)くらいで、後は使用しているアンプのセッティングだけとの事です。


まあ、簡単に云えば"昔かたぎのギタリスト"なんでしょうね。





● 「リズムギタリストとして肝に命じておくべき事はなんでしょうか?」と云う質問に対して、何とも笑えない珍回答です。 「


そうだな~。」「最前列にいる女の子のどの子と一緒するのか、よくチェックしておかないと。そして、決まったら絶対に目をそらさないようにしなきゃ。そうすれば、きっと何かが見つかる筈さ!。 とにかく、ステージの上は恐ろしく退屈な場所なんだよ。」
本人はウケ狙いで言ったんでしょうが、ちょっと時代錯誤的な感じですネ⁈ ドラッグ、女、ロックンロールと云う"不文律"は死語の筈です。




◇ Otis Redding - ”I've Been Loving You Too Long” from 『Otis Blue』






● フィルインとリズムとを両立させるベストな方法は?

バンド・アンサンブル全体を聴くと云うよりも、シンガーだけを聴いているよ。特に、フィルを入れるのなら、シンガーがしている事をキチンと補完しながら、彼が歌うことから離れた瞬間に必要な時間だけ、ささやかなフィルを入れるよ。彼が戻ってくるであろうちょっと前にまた元のポジションに素早く帰るんだよ。










◇ Green Onions - Steve Cropper & Donald 'Duck' Dunn ;