甦る The Allman Brothers Band | Music and others

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 2003年に発掘CD化されて、ようやくその全貌が明らかになったオールマン・ブラザーズ・バンド(The Allman Brothers Band)のライヴ・アルバム、『LIVE AT THE ATLANTA INTERNATIONAL POP FESTIVAL 1970』です。 

不朽の名作というか、オールマンズと云えばこの1枚と言われる、『At Fillmore East』(1971年3月12,13日)が長く親しまれて来ていました。 今でも、何度聴いても素晴らしいライヴであり、この7ヶ月後にデュエイン・オールマン(Duane Allman)がバイク事故で亡くなったことを考えてしまうと、熱いものがこみ上げてきます。


そのフィルモアの前年、デヴューアルバム、『The Allman Brothers Band』1枚しかリリース(1969年11月)していないバンドが、とてつもない大勢の観客の前で、オープニングとトリを務めたのですから,驚きです。 70年の独立記念日を中心にした7月3日から5日に亘って開催された3日間の野外フェスティヴァル、観客は30万人とも50万人とも言われています。 当時のライヴは、断片的に映像化されリリースされたり、ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)のライヴ・アルバム等で内容は以前より知られています。


当時は泥沼化したヴェトナム戦争の最中であり、アメリカ国内では反戦、不満、不安、と云った時代の空気が渦巻いている中で開催された野外フェスティヴァルでした。 南部のジョージア州アトランタ郊外にて、暑い気候の中で行われた伝説のライヴ、そこに出演したオールマンズのライヴがきちんとライン録音されたいたことは奇蹟と言わざるを得ません。



このライブは野外であること、地元であることが何よりも特徴なのかなと思います。演奏自体の迫力や端正さという点ではフィルモア・イーストには劣るものの、生々しさや熱気はこちらの方が上だと感じます。 目の前で演奏しているような”臨場感”があります。


とにかく、セッティングやチューニングの音から始まり、熱気が伝わってきます。 初日の7月3日は、お得意の”マウンテン・ジャム”の演奏途中に激しいスコールがあり、いわゆる降雨中断となる野外フェスならではハプニングがあります。


最終日の7月5日は地元出身バンドとしてトリを務めました。 ただ、大規模な野外フェスのために、スタート時間が”押せ押せ”となり、実際に始まったのは明け方、翌6日の午前3:50だったとライナー・ノーツには書かれています。そして、アンコールの”マウンテン・ジャム”は、100万$のギタリストことジョニー・ウィンター(Johnny Winter)が飛び入り参加しています。 トリプル・ギターでの”マウンテン・ジャム”ですが、弾きまくってはいないので、よく耳を凝らさないと違いを認識はできませんが、面白い演奏です。







デュエインと言えば、これはもう”ステイツボロ・ブルース”(Statesboro Blues)に尽きると思うのは私だけではないと思うのですが、2日目の3曲目の同曲でのボトルネックは鳥肌が立つくらいに次素晴らしいものがあります。決して、器用なギタリストではなかったと思いますが、この曲でのギターの音には”凄さ”を感じます。





◇ 『LIVE AT THE ATLANTA INTERNATIONAL POP FESTIVAL 1970』by The Allman Brothers Band

■ Disc one: "7-3-1970"
1."Introduction" – 1:04
2."Statesboro Blues" (Blind Willie McTell) – 6:05
3."Trouble No More" (Muddy Waters) – 4:04
4."Don't Keep Me Wonderin'" (Gregg Allman) – 3:49
5."Dreams" (Gregg Allman) – 9:49
6."Every Hungry Woman" (Gregg Allman) – 4:31
7."Hoochie Coochie Man" (Willie Dixon) – 5:29
8."In Memory of Elizabeth Reed" (Dickey Betts) – 11:35
9."Whipping Post" (G. Allman) – 14:47
10."Mountain Jam" Part 1 (G. Allman/D. Allman/D. Betts/J.J. Johanson/B. Oakley/B. Trucks) – 10:36
11."Rain Delay" – 1:15
12."Mountain Jam" Part 2 (G. Allman/D. Allman/D. Betts/J.J. Johanson/B. Oakley/B. Trucks) – 6:51


■ Disc two: "7-5-1970"
1."Introduction'" – 1:10
2."Don't Keep Me Wonderin'" (Gregg Allman) – 4:04
3."Statesboro Blues" (Blind Willie McTell) – 4:25
4."In Memory of Elizabeth Reed" (Dickey Betts) – 13:14
5."Stormy Monday" (T. Bone Walker) – 9:04
6."Whipping Post" (Gregg Allman) – 14:23
7."Mountain Jam" (G. Allman/D. Allman/D. Betts/J.J. Johanson/B. Oakley/B. Trucks) – 28:20   ※)with Johnny Winter on second slide guitar


◆ Musicians;
  Duane Allman: slide guitar and lead guitar
  Gregg Allman: vocals, organ
  Dickey Betts: lead guitar,
  Berry Oakley: bass guitar, backing vocals, lead vocal on "Hoochie Coochie Man"
  Butch Trucks: drums
  Jai Johanny "Jaimoe" Johanson: drums, congas
  Thom Doucette: Harmonica
  Johnny Winter: slide guitar on July 5,”Mountain Jam”











そして、このライヴから2ヶ月後には、マイアミのクライテリア・スタジオ(at Criteria Studios, Miami)においてもう一つの伝説が作られます。 トム・ダウド(Tom Doud)の紹介によりエリック・クラプトン(Eric Clapton)とセッションを繰り広げて、『Layla and Other Assorted Love Songs』という名作(ここ↓)がレコーディングされました。

インプロヴィゼーションを延々と繰り広げたり、ドラム・ソロが入るというライヴならではの長尺な演奏を”冗長”(退屈?)だと感じる人も多くいるとは思います。 オヤジとしても、頻繁に聴く忍耐力はなくなりつつありますけれど、たまには無性に聴きたくなるんです,特に深夜に一人でジャック・ダニエルをあおりながら、ヘッドフォンで。






Live at the Atlanta International Pop Festival/Allman Brothers Band

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