一徹なギタリスト、アイルランドの魂"ロリー・ギャラガー" | Music and others

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最近、まとめ買いしたCDの中に、ロリーギャラガー(Rory Gallagher)の2枚のリマスター版があります。

Tattoo/Rory Gallagher

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1枚目は入れ墨の女(Tattoo)、2枚目はライブ・イン・アイルランド(Irish Tour '74)です。 特に刺青の女、"Tattoo"には思い入れがあります、バンド時代に取り上げた曲の中では、かなり気に入っていた2曲が入っているからです。 実際にコピーする際に参考にしたのは、ライブ・ヴァージョンである"Irish Tour '74"の方ですが。

ライヴ・イン・アイルランド(紙ジャケット仕様)【2012年1月23日・再プレス盤】/ロリー・ギャラガー

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その2曲とは、タイトル曲である
  1) 入れ墨の女(Tattoo'd Lady)
と、同名異曲が多数ある
  2) 100万マイルも離れて(A Million Miles Away)
です。

3ピースのバンドから、キーボードを加えた4ピースの形態に変わりましたが、パワフルなギミック無しの演奏に変化はありません。 時代の変化か、この後ハードロック路線に舵を切ったような印象があります。

ロリーギャラガーは、70年代には日本でもかなりの支持を集めていました。 USA以上に日本では熱心なファンがいました。 あのトレードマークとも言える、塗装の剥げ落ちた1961年製のストラトキャスター・サンバースト、脚光を浴びた時期はそれ程長くはありませんでしたが、その"ひた向きさ"と言うか"一途さ"は多くのファンに愛されました。 1980年代には時代の波に飲み込まれてしまい埋没した感があります。


1995年に48歳で亡くなりましたが、再評価され、今も母国アイルランドでは愛され続けているようで、ジーンと来るものがあります。 同じような経歴ということでは、北アイルランド出身のガリー・ムーア( Gary Moore)がいます。 偶然かも知れませんが、ガリーも昨年急死してしまいました。 ハードロックやメタル、フュージョン、と振り幅が大きく、さらには1990年代には一転ブルースに回帰しました。「Still Got The Blues」は良いアルバムだと思います。 泣きのギターは「人間国宝」と呼ばれていました。



ロリーと言われてすぐに思い浮かぶのは、グヤトーンです。 それは、このリンク先に詳しく触れられておりますが、"マロリー"と呼ばれたシグニチュア・モデルのギターを制作して市販していたからです。
実は、私が使用していたベースアンプがグヤトーン製であったこともあり、非常に親しみが涌いたことも挙げられます。  軽音サークルの所有物ではありますが、元は夏休みに稼いだアルバイト代を供出して全額を負担したのです。 所謂、“自腹”(ジバラ)って奴ですネ。

この”Tattoo'd Lady”は、曲の構成が割とキャッチーで、演奏する立場に立ってみると非常に”ステージ映え”する曲なのです。 特に、Bメロの「Spent my youth under canvas roof・・・」の所がリズミックな展開になり(いわゆる、シンコペーション)、変化を付けられるので”受け”は良かったです。 当時は、年1回の定期コンサートをきちんとした会場で演奏する以外は、ライブハウスのような場所もなかったので、資金稼ぎの意味でどんな場所でも行きましたネ(汗)。

■ 入れ墨の女(Tattoo'd Lady);Words & Music by Rory Gallagher

Tattoo'd Lady, bearded baby they're my family
When I was lonely something told me where I could always be
Where I could push the penny If you've got any
You'll meet me down at the shooting gallery
Yes, I'm a fairground baby
Wonder what made me fall for the pearly queen


Spent my youth under canvas roof as I roamed from town to town
I'm not foolin' when I say I got no schoolin'
Never liked the school bell sound
from inside the caravan, I hear the fairground band
sounding good as they can be
You know I can't be found but if you look around
tomorrow we'll be gone by dawn, Oh yeah





色々な要素が詰まった私の一押しは、”100万マイルも離れて”(A Million Miles Away)の方になります。 クリーンなストラトの音、ブルースロック全開の骨太さ、本当に一徹な演奏です。終盤にはギターソロならぬサックスソロも織り込まれています。

エフェクター無し、ギミック無しのストレートな演奏、私の愛して止まないスコットランドのピートの効いたシングルモルト・ウィスキーをストレートで一杯あおる感じです。



ロリーはライブ作が一番だと言われ続けておりますが、私はこのスタジオ作を一番良く聴きました。 演奏の為に聞き込んで、耳コピして、ベースラインは手書きで譜面にしていました。