AS(大動脈弁狭窄症)ハリソン内科学第4版P1687
1、病態生理
大動脈弁の変性、石灰化、先天疾患(大動脈二尖弁など)
によって弁が狭窄
⇒左室から大動脈への駆出障害
⇒左室に圧負荷が掛かる
⇒左室肥大(+酸素需要の増大)⇒左心不全
and
⇒(血管抵抗増大による)心拍出量の低下
⇒拡張期血圧の低下
⇒めまい、失神+冠動脈血流の低下による心筋虚血
*大動脈弁二尖弁
本来3つある弁が2つになってしまう疾患
すると弁尖が損傷を受けやすくなり石灰化、線維化をきたしやすくなる。
2、所見
~脈拍について~
遅脈、小脈(通りにくくて少しづつゆっくり通るイメージ!)
~聴診所見~
Ⅱa音の減弱、Ⅱ音の奇異性分裂
大動脈領域に、収縮期駆出性雑音を聴取
◎奇異性分裂・・・病気が見える(循環器)P23
・Ⅱp音がⅡa音に先行する
・吸気時よりも呼気時の方が分裂がハッキリする
通常時では・・・
吸気時に静脈還流量が増加し、胸腔内圧が低下する
⇒右心の拍出量が増加し、Ⅱp閉鎖が遅れる。
(=肺動脈圧>右室圧になるのが遅くなる)
奇異性分裂では
大動脈弁の閉鎖が遅れるor肺動脈弁の閉鎖が早い
前者の場合が主で、左脚ブロック、大動脈弁狭窄症で見られる。
~心電図所見~
左室肥大(左室ストレイン)を認める。
左心肥大によって、電気的なベクトルが左室側へ移動
⇒V5、V6で高いR波+V1、V2で深いS波
Ⅰ、aVLにおけるST低下(左室側壁心内膜の虚血を反映)、T波の陰転
特に赤字の所を左室ストレインという。
◎ST低下について・・・ハリソンP1602
虚血細胞は正常細胞と比較して静止膜電位が低い(=活動電位持続時間が短い)
⇒(虚血細胞の再分極時に)正常細胞から虚血細胞に電流が流れる
心内膜優位の虚血の場合、内腔側に向かう電流が走る。
=もし、電極が虚血細胞の真上にあれば、遠ざかる方向に電流が走る
=ST低下が心電図上に表れる。
△T波の陰転化について
(注)自分の頭の中で考えたことなので鵜呑みにしないように
T波(再分極)は心外膜⇒心内膜の向きで進む。
左壁心内膜に虚血があると先に心内膜から再分極がスタートする。
(そう考えた理由はST低下の項を参照)
すると、電気的には内腔へ向かう向きになる。
よってV5、V6(左壁を見る誘導)でT波が陰転化する。
~心エコー検査~
断層心エコーで、大動脈弁の石灰化、肥厚
ドプラ心エコーで、大動脈弁口面積の低下、圧格差増大
3、治療
心不全、狭心症に対する対症療法
大動脈弁置換術
AR(大動脈弁閉鎖不全症)・・・ハリソン内科学第4版P1690
1、病態生理
大動脈弁の弁輪拡大、先天性二尖弁、大動脈解離、リウマチ熱、
Marfan症候群などによって大動脈弁が閉鎖しきらない
⇒拡張期に血流が大動脈から左室へ逆流
⇒左室に容量負荷が掛かる
⇒左室拡大、左心不全へ
and
拡張期大動脈圧の低下⇒心筋虚血⇒狭心症
2、所見
~脈拍について~
大脈・速脈
~聴診所見~
・Erb領域(第3肋間胸骨左縁)での拡張期潅水様雑音
・(重症時)Austin-Flint雑音
*大動脈弁逆流によって僧帽弁に偏位が生じることで発生する
~心電図~
左室肥大所見(詳細は上述)
~特徴的所見~・・・病気が見えるP195より
de Musset兆候・・・脈拍に伴う頭部の上下運動
Quincke兆候・・・爪の先を押さえると、脈拍に応じて赤いところが変化
Hill's sign・・・大腿動脈血圧>上腕動脈圧(差が60mmHg以上)
3、治療
心不全、狭心症に対する対症療法
大動脈弁置換術
自分の知識の再確認も兼ねて色々調べていたら凄い量に・・・。
如何に自分が理解していないか思い知らされた。
病見えには記載は無いけど、ハリソンにはあったので
次はTS、TR編。
多分それが終わったら次はASDとかVSDとか。
