別に

重松あゆみ嬢が

間違えた訳では有りません。

 

重松あゆみ嬢のオブジェを

オークションに出品した

出品者のマチガイなのですが

それが何か

判りますでしょうか?

 

これを見た瞬間

 

『?』

 

って思った人は

オブジェ通です。

 

“耳の骨って何?”

 

一般に耳の骨と言うのは

耳小骨といって

つち骨・きぬた骨・あぶみ骨を指します。

 

現実に存在する骨なんです。

 

彼女のオブジェのタイトルは

 

『骨の耳』

 

存在しない耳です。

 

つまり重松あゆみ嬢の造語。

オリジナルの言葉なんです。

 

彼女のオブジェシリーズを指すコトバ。

 

「体の芯の骨で振動を感じ取るような感触で、

作品と出会ってほしい」

 

このオブジェシリーズが

求める世界観です。

 

彼女の個展を

一度だけ見る機会が有って

確か日本橋の三越だったと思いますが

愛らしいオブジェ“骨の耳”が

幾つも並んでいて

確か御本人もいらっしゃったのですが

声を掛ける事はしなかった。

 

会話出来るだけのナカミを

持ち合わせていないし

石で磨いて

光沢を出している事ぐらいしか

当時は知らなかったから。

 

買うお金も無かったですし。

 

無理すれば

買えそうな金額だった気も

しますが

当時の自分には無理でした。

 

あの時

ああしとけば、なんて言うのは

愚の骨頂です。

 

断捨離を始めている現在では

尚更です。

重松あゆみ作『骨の耳 92-14』

/岐阜県現代陶芸美術館

 

一つだけ残念な事は

触っておけばよかった。

 

そう思っている事。

 

足早に通り過ぎた事だけが

記憶に残っています。

 

彼女の作品と

一目で判る

唯一無二のオブジェシリーズです。