第35回高崎映画祭のオープニング作品は、95%高崎産、2021年最もミニシアターを盛り上げた『由宇子の天秤』が選ばれた。半年ぶりの鑑賞で、すごくハマった作品だけど、気持ちを整える必要があるので、頻繁に観れる作品ではない。笑笑 ちょどいいスパン。
簡単なあらすじや初見感想は、こちら👇
改めて、由宇子 (瀧内公美) の父・政志 (光石研) への詰め方は半端ないなと。笑笑 父が過ちを犯したとは言え、あれはなかなかできない。“背負うこと”を決めた由宇子は強いけど、由宇子の口から"正論が最善とは限らない" と、らしくないことを言わなきゃいない状況は、やっぱりつらい。
萌 (河合優実) の父、哲也 (梅田誠弘) の成長物語が癒し。笑笑 ホントに絵に描いたようにしょうもない父親。娘と全くコミュニケーションの取れていない状況から由宇子を介することで、父親としての自覚が芽生える。
萌の "お前よりマシ" 発言で、父、哲也と口汚く言い合いながらもじゃれ合うシーンはお気に入り。哲也が顔洗って、服で拭いちゃうとことかもけっこう好き。笑笑
ちなみに、梅田誠弘は、実際に絵がうまく、コンタクトレンズのチラシを配っていた経験があるとのことで、それがそのまま取り入れられている。
河合優実は、カメレオン俳優。『サマーフィルムにのって』のビート板、『ちょっと思い出しただけ』の泉美、全く違和感なく陰も陽も子どもも大人も演じることができる。大好き。笑笑
上映開始から2時間程度経過し、残り30分。
塾生のダイチからの情報 (タレコミ) で、もともと安定していなかった天秤が一気に動く。加害者遺族、志帆 (和田光沙) からの真実の告白。プロデューサーの富山(川瀬陽太)が言い放った"俺たちが繋いだものが真実なんだよ"。
真実?を闇に葬ることもできた状況で、正直に事実を伝える由宇子。そんな由宇子の青い生き方が私は好きだ。
白と黒の間もあるし、単純に二極で判断できるものではない。心地よい情報が、表に見えてるものが全てではない。春本雄二郎監督が、複雑な社会問題をあぶり出す。
なぜ、それを今、創るのか?
社会を照らす作品を創っていきたい。
とのこと。
関連レビュー
その他の舞台挨拶メモ
資金: 1,500万円程度。普通の映画と比較し、1/3 ~ 1/4程度。
資金面からもコンパクトに制作する必要があった。 ⇒ 高崎が候補に。
春本監督は、俳優の方々にも、脚本から読み解いてもらいたいと考えている。キャラクター像を想像してもらうため、俳優陣にも多くを説明しない。監督の想像を超えてくることを期待しているとのこと。
お話させていただいたときは、優しそうな方でしたが、映画に対しては厳しそうですよね。笑笑