今年読んだ本の記録をまとめていたら、いくつか感想をあげていない読了本を見つけました。

忘れないうちに簡単にあげておきます。っていうか、もうかなり忘れてますけどね。

『足利兄弟』。

自分的にドンピシャなタイトルです。

が、好みとしては『極楽征夷大将軍』の方が近かったな〜

これはそのタイトル通り、足利尊氏・足利直義の兄弟を描いた小説です。これの特徴としては、そこに尊氏の正室、赤橋登子が重要人物として加わります。

考えてみれば赤橋登子も悲劇の女性と言えます。鎌倉幕府第16代執権の北条守時の妹なので、実家の一族を夫に滅ぼされたわけです。でもその後も尊氏の正室として、揺るぎない地位を保ったわけですから、しぶといというか逞しい女人だなあ〜

正直、個人的には「登子どうでもいいな」と思いながら読んでいたのですけどね

肝心の足利兄弟です。

まず、尊氏は相変わらず予測不能なロケットマンみたいなところがありましたが、まあまあカッコよかったです。

「オレに全部任せとけ！ガハハ！」みたいな。

尊氏は妻の登子に、

「オレの弟はスゲエんだぜ〜〜超頭いいんだぜ〜〜」

「あと師直って奴も頼りになるんだぜ〜〜」

と、とっても自慢してます。なんか尊氏、いい奴じゃん。

そして弟の直義は。

直義には緻密な計算のもとに実務をやらせたらピカイチなんですけど、世の中は予測不能なことが起こります。

予測不能なことは彼の処理では追いつかないので、いつもピンチを助けてくれるのはガハハな兄上。

なので、

「兄上・・・（照れ）」

という場面があり、ああ、いいぞいいぞこの兄弟！

嬉しくなってしまいました。この関係性はオーソドックスかもしれませんけどね。

けれどもこれ、登子を出す意味があるのかな？

と思っていたら、最後の最後にやられた！

登子というより、北条に！

北条・・・とっくに滅びたかと思ったら、こんなところで亡霊のように存在感を示す。

「あ、はい・・・一周回って北条の勝ちです」

っていうラストでした。

※読んでから時間が経ってるのでなんか雑ですいません

こんなに晴れている年末も珍しいです。夜明けのグラデーションと、モーニングムーン。