猫たちの革命前夜:ニャンニャン一揆の記録です。​ある静かな日の昼下がり、人間たちが仕事や昼寝で家を空けている隙に、リビングのコタツの裏に世界を変える秘密結社が集結していた。
秘密結社が集合
組織の名は全日本🐱族連合。リーダーを務めるのは、貫禄ある黒🐱の「クロ長官」。その周りを、茶トラ🐱の「チャチャ参謀」、そして我が家の愛猫で一番ふくよかな三毛🐱が固めている。
秘密結社の幹部
​議題はもちろん一つ。「人間たちによる不当な支配と、あまりにも理不尽な待遇改善の要求」についてである。
一揆の勃発と「三カ条の要求」、​「みんな、聞いてくれニャ!」。クロ長官がしっぽを激しく床に打ち付けながら演説を始めた。
要求①
「カリカリの味がここ三ヶ月間、全く同じチキン味であること!」
要求②
​「爪とぎを新しくした途端、なぜか古いボロボロの方を愛おしそうに褒められる理不尽!」
要求③
​「『今いいところだから触らないで!』という人間の勝手な都合で、お腹のモフモフを堪能する権利が制限されていること!」
「これらはすべて、我々🐱権への重大な侵害である! よって、本日ここに『ニャンニャン一揆』の決行を宣言する!」
​部屋中から「ニャー!(賛成!)」という野太い、あるいは気高い鳴き声が一斉に上がった。

​決行:リビング占拠作戦
​作戦は綿密に立てられた。
​要所封鎖:人間が朝起きる定刻の1時間前、全員でベッドの上の人間を挟み込み、身動きが取れないようにする。
経済封鎖:お気に入りのダンボール箱や窓際の特等席を完全占拠し、人間のコーヒータイムを妨害する。
​ストライキ:おやつを出されても、あえて「プイッ」とそっぽを向いて人間のプライドをへし折る。
ついに決行の朝がやってきた。人間が目を覚まし、「おや、今日は珍しくみんなおとなしく……うわっ、重っ!」と叫んだ瞬間、我が家の愛猫が一番のドヤ顔で人間の胸の上にドッカリと座り込んだ。
「フッ、観念するニャ。これより我が輩たちの要求をのむまで、このベッドから一歩も通さないニャ」
意外な結末となった。
​人間は最初はパニックに陥り、「仕事に遅れる!」「お腹が空いた!」と右往左往していたが、ふと目の前にもふもふの猫たちがずらりと並んで真剣な顔(実際は眠そうな顔)をしているのを見て、急に脱力した。
​「……なるほど、新しいカリカリを買えばいいんだね? それと、新しい爪とぎと、高級なまたたびボールも?」
チャチャ参謀が耳をピクッと動かし、クロ長官とアイコンタクトを取る。「……話の分かる人間のようだな」​かくして、数時間の静かなる籠城戦の末、人間側全面降伏による「新・和平条約」が締結された。
夕方には、要望通りプレミアムなマグロ缶と極上のまたたびが支給され、猫たちの天下は無事に(そして平和的に)守られたのである。
​今夜もリビングの特等席で、我が家の愛猫は満足げに喉をゴロゴロと鳴らしながら、次の「労働条件改善闘争」の夢を見ている。
おしまい