近年の DSP ラジオは、ネットストアで外観や簡単な仕様は判ります。しかし、詳細な性能は判断できません。

ラジオの歴史を振り返り進化の過程を理解して、今のラジオの凄さを感じたいと思い、調べてみました。


情報源は ChatGPTWikipedia です。その他は適宜リンクを貼ります。


 


1. 鉱石ラジオ


鉱石ラジオは19世紀末ころにいくつもの漠然とした発見の連鎖から生まれ、20世紀初頭に実用的なラジオ受信機へと進化したそうです。

インドの物理学者ジャガディッシュ・チャンドラ・ボースは1894年頃からマイクロ波を受信するために方鉛鉱を使用しはじめていた。彼が鉱石を電波検出器として使用した最初の人物です。


回路はいたってシンプルです。



同調回路は可変コンデンサーとコイルの並列接続、検波回路は今ではダイオード一本、レシーバはセラミックイヤホンだけですが、感度も悪く大音量で聴くことができなかった。
 
2. ストレート、再生、レフレックス方式ラジオ

真空管を増幅器として使用するラジオが開発され、日本においては安価で設計が比較的容易な再生方式(並三、並四、高一)が主流で、この状態は終戦まで続きました。
下図はレフレックスラジオの回路です。


3. スーパーヘテロダインラジオ

真空管やトランジスタでもラジオの高周波数帯を高ゲインで増幅するのは困難です。
周波数が異なる波を重ねると差分の周波数が検出できる原理を利用し、ラジオ内部に局部発信回路と、アンテナから入力された電波を増幅したものと混合させると、より低い周波数に変換されます。
それを増幅(中間周波数増幅)すれば容易にゲインが稼げます。


中間周波数増幅が一段の場合はシングルスーパーヘテロダイン、二段の場合がダブルスーパーヘテロダインと呼びます。最近ではトリプルもあります。

アナログ回路での大幅な進化は、ここで止まったと考えて入るので、次は BCL ラジオの進化に移ります。

4. 初期のBCLラジオ

初期のBCLラジオはスーパーヘテロダインラジオの機能増強版です。
アナログチューニングを基本として、感度調整、自動周波数制御、スケルチ、スリーブタイマー、Sメータ等が付加されています。
5. 進化版BCLラジオ

精密に周波数を調整できるように、周波数マーカやスプレッドダイアル付きの通信型BCLラジオも販売され、今も名機として取り引きされています。

 


更には周波数が直読できる周波数カウンタまで付けられるようになってきました。


 

6. PLLシンセサイザー搭載ラジオ


BCLファンにとっては周波数が直読できる事は垂涎の的です。


PLL(Phase-Locked Loop)シンセサイザーは、電子回路や通信システムで広く使用される制御システムの一種です。PLLシンセサイザーは主に周波数合成や位相制御に利用されます。


主な要素と動作について簡単に説明します:


基本構造:  位相検出器(Phase Detector, PD): 目標周波数と実際の周波数の位相差を検出します。

ローパスフィルタ(Low Pass Filter, LPF): PDの出力を平滑化し、直流(DC)成分を取り出します。

制御信号: LPFからの信号は、制御信号として使用されます。

制御対象(VCOなど): 制御信号が周波数制御対象であるVoltage Controlled Oscillator(VCO)などに入力され、その周波数が変化します。


動作:  PLLは目標周波数と実際の周波数の差異を検出し、それを元に制御信号を生成します。

生成された制御信号はVCOなどの制御対象にフィードバックされ、周波数が調整されます。



PLLシンセサイザーラジオと言えば SONY です。

一種の革命的技術です。

7. DSPラジオ

DSPが世に出た当時は音響製品に使われるのだろうと考えていたが、ラジオに応用されて驚きました。
大げさに言えばワンチップでラジオが造れるのです。
日本メーカーのOEM生産し、技術力を蓄積した中国・台湾メーカーがこぞって生産し始める。安さで日本メーカーは太刀打ちできなくなって撤退。



DSPラジオ、PLLシンセサイザーラジオ、アナログチ式、デジタルシキが混在する昨今は、何が何だか判別しづらくなっています。

PLL DSP ラジオと称する物が販売されていますが、前者はアナログ回路、後者はデジタル回路。その混在と言うことでしょか?


このラジオのようにDSPとPLLシンセサイザーが混在すると分類が困難です。あえて分類する必要はないですが、ChatGPTで調べたら、


PLL(Phase-Locked Loop)とDSP(Digital Signal Processing)は、ラジオ技術において異なるが補完的な役割を果たします。

  1. PLL(Phase-Locked Loop):

    • PLLは、アナログラジオや一部のデジタルラジオにおいて、周波数制御や位相同期などに使用されます。
    • アナログPLLは、アナログ信号の位相差を検出して制御信号を生成し、これにより受信周波数を安定させます。これは、チューニングや周波数合成に利用されます。
    • デジタルPLLも存在し、DSPとの組み合わせによってデジタル信号の位相同期が可能です。
  2. DSP(Digital Signal Processing):

    • DSPは、ラジオにおいて主にデジタル信号の処理に使用されます。
    • デジタルラジオでは、アナログ信号がデジタル信号に変換され、DSPがそのデジタル信号を処理して様々な機能を提供します。例えば、ノイズの低減、エコーのキャンセル、周波数変調、デジタルフィルタリングなどがあります。
    • DSPによって、デジタルラジオは柔軟性があり、異なる変調方式や信号処理アルゴリズムを実装することが可能です。

総じて、PLLは主にアナログ信号の周波数制御に関与し、DSPはデジタル信号の処理に特化しています。しかし、デジタルラジオの進化に伴い、アナログPLLとDSPが協力して動作することもあります。これにより、柔軟で高性能なラジオ受信機が実現されています。


最後に、DSPラジオは小型・高性能・安価ですが、動作電圧が高いので、リチウムイオン電池との組み合わせででは直ぐに電池切れになります。

この点が改善されれば良いのですが。