霊感があるという人があなたの身近にはどれくらいいますでしょうか?

私の身近には全くいなかったのですが、このカフェで初めてそういう人に出会いました。


「霊感がある」と言われた時は、怖い話が好きな私でも胡散臭いと思ったくらいですので、

幽霊なんて信じないという強い信念をお持ちの方にとっては、詐欺師くらいにしか思われないでしょう。


今でもこの人に霊感があるのか、全く信じていないのですが、

何ともユニークな霊の感じ方だったので、ここに書いてみようかと思いました。



霊感があるっと言った方ですが、これからもよく出てくるであろうことが予想されますので、

常連のKさんとしておきましょう。

身なりとしては、シンプルな服装。特におしゃれと言うわけでもなく、ハンサムと言うわけでもない。背もあまり高くはないし、ちょっとひょろっとしたオタクっぽい感じの人でした。



さて霊感と言った場合、信じる信じないは別として、あなたにはどんなイメージがありますか?

私は、テレビでよく見る霊能力者のように「あそこに霊がいます。」という風に、『見える』ということがポイントだと思っていました。



ただ、このKさんは全く見えないそうなのです。

見れるのではなくて、『匂いがする』そうなのです。


独特の匂いがするのでわかる、今までしなかった匂いが突然するのでわかるということです。

見えないで霊を追っ払ったりできるのかと聞いたところ、彼にはそういう能力はないのでよくわからない、

ただ、自分の存在を知られたくない霊がいたら、認識しているぞということが分かると嫌がっていなくなることはある。

と言うことでした。



何だか都合のいい話だなと聴いていると、さらにKさんは続けます。


「お線香とか、お花とか、果物とか。仏壇の前に供えるものは香りのあるものでしょう。

あれは、霊が香りを吸収するからだよ。霊にとって香りは重要なんだ。」


なるほど、あんまり納得できない発言が続きます。


「では、霊はお線香の煙とかを食べてるってことですか?」

と質問してみると、


「僕は見えないのでわからないけど、線香の香が消えていくのは霊が食べているからって思っていいと思う。

僕は大抵そういう時に霊を感じるから。見れる人の話によると、霊が煙を食べているところを見たことがあるってことだよ。」


私にはあまりイメージが沸いてきません。

亡くなった方が、線香に向かって口をパクパクしている図は何とも奇妙なものです。


ここで、店員のMさんが質問します。

Mさんはどっかのモデルかと思うくらい可愛らしい女性で、常連さんの間でも人気がありました。

頭の回転もはやく、発言もなかなか面白い娘でした。


「へぇ、じゃあ今このお店に幽霊っている?香りを食べるなら珈琲の香りに誘われてきていてもおかしくないよね?わたしは珈琲の香りしかわかんないけど!」


思い出しながら書いているので、バラバラな説明になってしまって申し訳ないのですが、このお店は珈琲が自慢のお店でした。紅茶もあるのですが、紅茶はどちらかというと…あんまりで、紅茶党のわたしには残念でした。


さて、話を戻して


この質問にKさん。

「今は珈琲の香りしかしないな。でも、さっきまでいたお客さんから、それっぽい香りがでてたよ…ああ、N(私です)の隣に座っていた人ね。」


もちろん、わたしの隣の人はちゃんとした人間でお金も払って行きました。

だから…なんかついてたっていうことでしょうか…

個人的には怖くてもう聞きたくなかったのですが、Mさんは興味津々で続けます。


「さっきのお客さん、幽霊だったの?足あったから違うよね!じゃあ、何かにとりつかれてた?」


ちょっとKさんが上を向きました。話そうかどうしようかちょっと考えた様子で、ポツリポツリと話します。


「なんだか獣くさい匂いがした。多分、そういう感じのが付いているんだと思う。別にお店には害は無い。でも、さっきの匂いが鼻についてしまって珈琲が美味しくなくなっちゃった…」




ということがありました。

思い出話で、全然怖い話ではないですね。

まぁ、登場人物の説明程度に読んでいただけたらと思う今回のお話です。

私は昔、横浜のとあるカフェによく足を運んでいました。

仕事場から近かったことと、店員の方が非常に気さくで楽しくゆったりとした時間が過ごせたからです。


もうこのお店は閉店してしまい、そこには違うレストランが入っているのですが、今でもこの近くの通ると、

ちょっとお店の前まで行ってしまいます。


さて、このお店の常連さんと店員さん、怖い話が好きな方がいたようで、しばしばそういう話を聴きました。


夏ですし、そんな話を思い出しながら少し書いてみようかなと、思い立ったんです。



物凄く怖いはなしというのはないのですが、

私の思い出を残しておくためにも、すこしだけお付き合いくださると幸いです。