久々の更新となってしまいました。

つい最近、ヨーロッパはスイスとフランスの国境にある、研究所、CERNにて新しい粒子を発見したという情報が入りました!

https://phys.org/news/2017-07-lhcb-particle-heavy-quarks.htm

 

①新しく見つかったのは「バリオン」

今回新しく見つかったのは「バリオン」と呼ばれる粒子の仲間。これ、物質を小さく分けて小さく分けて、これ以上もう分けられないというパーツである素粒子のうち「クォーク」とよばれるものが三つ集まったものです。

 

ややこしいですよね…。私など、すぐに頭の中がこんがらがります。

 

とりあえず、世界はレゴランドのように、素粒子の組み合わせでできてるってことですね。

素粒子であるクォークという粒子が3つ集まってバリオンになり、それがさらに集まって、原子核になり、そして原子核が別種の素粒子を電気の力で捕まえて原子となり、その原子があつまって分子、そして何かしらの化合物へ…。

 

ちなみに、三つ集まってバリオンをつくることができるクォークは全部で6種類あります。

 

②どうして今頃「発見?」

さて、核子の代表格といえば、陽子と中性子です。この世界に何もせずにその辺にあるのはほぼすべてこれ。他のものは、たまたまできたか、わざわざ作るか、です。

 

材料であるクォークは6種類もあるのに(実際は、同じ種類のクォークにも色違いがある)、なんで陽子と中性子ばかり身の回りにあるんだろう?と思うかもしれないですが、実際、普通に身の回りにあるのは、クォークでも二種類だけなんです。

どうしてか?

というと、ほかのクォークは何らかの経路で崩壊し、他の粒子へと変わって行ってしまうから。最後に行きつくのは、最も軽い二つのクォーク、アップとダウン、そして素粒子のうちクォークとはちがう性質をもつレプトンの仲間で最も軽い電子、の3つなんです。

 

重さはエネルギーでもあるので、重いものが粒子として狭い空間に閉じ込められているのはきっといやなんでしょう。だから、重い素粒子たちはどんどん軽い素粒子への変わって、最期は最も軽いもの3つに落ち着くことになります。
(この3つはそれぞれ性質が違っていて、性質を残してもっとも軽くなるには、アップとダウンと電子の3つを使うことになります)

 

そのため、今回みつかったものは、よくあるアップと普通はないチャーム二つの組み合わせからできるバリオンなので、わざわざ作らなければ存在しえない、ということです。
この発見をしたCERNにある加速器(粒子をぐるぐる回して、高いエネルギーでぶつける装置。衝突した瞬間、とてつもないエネルギーがとても小さな空間に押し込められる)は世界最高エネルギーの加速器であることを考えれば、今回見つかった粒子はつくるのもとても大変、ということです。

 

 

 

③今回みつかったのは、「重い」クォークを二つも含むバリオンが拓く新しい世界とは?

この新しく見つかった粒子、何が嬉しいんでしょう?

クォーク同士は「強い力」と呼ばれる非常に強いけれども、届く範囲がとても狭くて私たちには感じられない力でつながっています。一つは、この「強い力」を説明する理論の証拠の一つとなることです。今回発見された新粒子は、かねてより存在しているはずだと予言されているものでした。

二つ目には、バリオンの中のクォークがどのように動き回っているかを調べる手がかりになること。CERNのある研究者は重い二つの連星とその周りをまわっている惑星のような姿をしているだろうと述べています。

「強い力」の理論はまだよくわかっていないこともあり、今回見つかった粒子が「強い力」のミステリーの奥へ奥へといざなってくれることでしょう。