B氏の後押しを受けて、迷うことなく最終試験へ。


最終試験は役員面接のみ。



役員面接もこれと言った山場は無く、和やかな雰囲気で終了。



3日後には合格の連絡が来た。



いよいよ、転職する事が確定した瞬間だった。



合格の報告はすぐにB氏に伝えた。

B氏は自分の事の様に喜んでくれた。表情は恐いままで。


やがてA氏、課長にも退職の旨を伝え、受領される。


この職場は退職者が多いため、辞めるとなったら特に引き止めは無い。


それは新人だろうがベテランだろうが同じだ。


一番ショックを受けていたのは同期のジャニだった。


「ホンマなん!?ホンマに辞めるん!?」


何度も聞かれた。これが一番堪えた。


同期入社でB氏の厳しい指導にも耐え、これから部下を育成して行こうと
話していた矢先のこと。ジャニの動揺もよく理解できる。



他の同期はその時点で8人ほどしか残っていなかったが、同期全員で送別会を
開いてくれた。


程よく酔いがまわり、皆で2次会のカラオケに。

ジャニが森山直太郎の「さくら」を歌う。泣いていた。こいついつも泣いてんな。


同期もみんな泣いていた。共に苦労を乗り越えてきた仲間。


今でも彼らとは時間を見つけては会っているが、自慢の同期たちだ。


そして有給消化を経て、寮を出た。