これは一つの物語


名古屋に住む一人の女性がいました


彼女は産まれた時から体が弱く

いつも体調を崩しては入院を繰り返すような子でした

そんな時

その子の両親は子供の体の事やその子の将来について深く悩み

すれ違い

おかしくなっていきました

父親は酒に逃げ

酒に溺れて

母親に辛く当たるようになりました

暴言

暴力

母親は逃げてしまいます

父親は一人に

父親はさらに狂い出します

ある夜

体調を崩していた彼女が医師から一時帰宅する許可がおります

しかし

家にはすでに壊れてしまった父親

…父親は彼女を娘だとは認識すら出来ない状態でした

父親は娘を母親だと思い込みます

その日から悪夢がはじまります

決して目覚める事の無い悪夢が

しかし彼女はそんな壊れてしまった父親を

哀れみ

悲しみます

彼女のはこう考えます

「自分がこんな体だから、自分が家族をぐちゃぐちゃにした、自分が全ていけないんだ。」

全ての罪を自分のせいだと感じ

全ての悪夢を受け入れようとしてしまいます…

実の父親に何をされようが

どれだけ傷付けられようが

何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も…






何年か経ち

大きくなっていった彼女は同年代の子供達と比べれば劣る方ですが体も強くなりました

入院退院を繰り返す生活から徐々に抜け出し

普通に学校に通えるまでに


そんな彼女にも彼氏が出来ます

彼はとても優しくしてくれました

大切にしてくれました

…彼女の中の暗闇に気付く事も無く

しかし

ある日優しい彼は彼女の異変に気付いてしまいます

彼女の心の傷や体の傷に


彼は自分の家族に相談し

大切な彼女を守ろうと行動します

しかし学生であった彼ではまだ養う事は出来ません

母親を探そうにも連絡先もわからず行方不明

実は彼女の母親は彼女のような年少期をおくっていて

施設で育てられていた事を知ります

親戚なども全くわかりません

当然父親の関係者に預けるわけにもいきせん

結局彼女は母親と同じ道を歩き始めます

父親に傷付けられ

母親に裏切られ

施設で一人ぼっち

彼女が信じれるものはその優しい彼だけ

高校を卒業すると同時に彼女と彼は結ばれます

体が弱く、医師には子供を産む事は難しいと言われていたが子供も一人授かりました

とても幸せな家庭でした


しかしそんな幸せを感じている中

彼女の中の過去

彼女の心の奥底にある傷は全て消え去る事は出来ませんでした

彼といても

大好きな子供といても

不意に昔の記憶が再び目を覚まします

発作が起き

急に意識を失う

忘れたくても

どれだけ忘れようとしても

悪夢はいつまでも彼女の中に深く刻み込まれたままです

優しかった彼はそんな彼女を見て悩みます

自分の力が足りない

自分では彼女の傷を全て拭い去ってやる事は出来ない

彼女の力にはなれない

彼はそんなやるせない気持ちをごまかすように酒に逃げるようになりました

でもあの父親のように悲劇を繰り返すような人間ではありません

しかしそんな彼を見た彼女は父親の姿と彼の姿を重ねて見てしまうようになります

またあの悪夢がはじまってしまう

悲しい事に彼女の心は再び閉じてしまう

彼も彼女も幸せだった日々を忘れてしまいます

でも二人は

子供の幸せのために決して別れない

自分達の子供には寂しい思いはさせたくない

その思いだけを糧に一緒に暮らし続けます

例え愛し合っていなくとも…