凪良ゆうさんの『ショートケーキの苺にはさわらないで』
なぜこのタイトルなんだろう?
と、読む前には不思議だったのですが、
読んで納得。

というか、これに泣かされました!

裏ドールと呼ばれるセックス用アンドロイドと
裏ドールオタクの人間という
SFチックなお話なのです。

アンドロイドのシンがとても健気でとても可愛いのです。
前半は笑いのツボもあったりするのですが、
後半はシリアスな展開に…。

人間と同じように繊細な感情を持っているのに、
人間と同じように痛みを感じるのに、
アンドロイドだからあくまでも器物でしかない。

たしかにアンドロイドはリセットしてしまえば
記憶も感情も全て初期化されてしまうけれど。
でもアンドロイドを愛した人間の想いはリセットできませんよね。

このお話の中でのアンドロイドは
限りなく人間に近かった…。
だから読んでても複雑な気持ちになったりもして。

エンドは予想外な着地点となってますが、
二人にとってはこれが一番のハピエンなのかな。
私的にはそこに行き着く前のところで
終わってくれた方が(丸型とのエンド)、
気持ちがストンと納まった気もするのですけれど。

ちなみに私はコミコミで購入したので
表紙絵イラストカードが付いていました。

ショートケーキの苺にはさわらないで
 著者:凪良ゆう イラスト:草間さかえ

ショコラ文庫 BL小説 2015年2月
★★★★涙
ショートケーキの苺にはさわらないで (ショコラ文庫)/心交社
¥745
Amazon.co.jp


◆あらすじ(裏表紙)
アンドロイドが普及し、人に代わって戦争すらしてくれる時代。
大学生の南里輝は、自分だけを愛してくれるセックス用アンドロイド、
通称「裏ドール」を伴侶にすることを夢見ていた。
その資金を貯めるため裏方バイトをしていた風.俗.店に、
ある日とびきり美しい裏ドールが売られてくる。
悲しげな姿を見かねた南里は、つい貯金をはたいて「彼」を買い取ってしまった。
シンと名づけられた彼はドールゆえの一途でけなげな愛を南里に注ぐが――。 ◆


感想は読メからコピペしたものです。

オタクとアンドロイドの恋バナ。

人間の南里とアンドロイドのシンが
心を通わせていく過程が丁寧に綴られているので
二人の関係性がすんなりと胸に入ってくる。

それだけに後半の展開が切なかった。

で、凪良さんが泣かせにかかってるとわかっても
まんまと泣かされた私であるw
キーワードの威力も絶大。

ここで着地かと思った矢先のさらなる展開にはびっくり!

ところで。
アンドロイドが食べたものはどうなるんだろう?
体内を通過してそのまま出てくるんだろうか?
ヘンなことが気になってしょうがなかった(笑)

そして私は丸型シンが欲しい♪

また、作中にある
情報隠ぺい、戦争、徴兵制(アンドロイドの、だけど)には、
現実の日本政府から感じるきな臭さが思い起こされ
なんだか怖くなったりもしました…。 

(読了日2015/3/11)

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