シリーズ第2弾『凍える吐息』を読む前に、
第1弾のこの本を積読から発掘。

大正時代の日本に似た異世界モノです。
舞台となる皇國は、都と悪人たちの砦『バロック』という光と闇を内包する国。

バロックは犯罪者たちが住む、いわゆるスラム。
バロックの人間だというだけで都の人間から蔑まれる、
そんな世界のお話。

梨とりこさんの絵がとても素敵!
梨さんもナギの大好き絵師さんです。

繊細で静謐な色気のある独特な絵柄が
このシリーズの世界観にピッタリなのです。

バロックの裔~無垢なまなざし~ 著者:和泉桂 イラスト:梨とりこ
リンクスロマンス BL小説 2010年8月
★★★
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◆華やかな都とは対照的に、悪党たちが暮らす砦『バロック』。 そこでスリの修業をした少年・三春は、都で初仕事の獲物だった青年・良成と再会する。 華族の良成は優しく理知的で、三春の罪を責めずに親切に接してきた。 生きる世界が違うと知りながら、良成に少しずつ惹かれる三春は、子爵家の跡継ぎの座を巡る陰謀に巻き込まれた良成を守るために、バロックの仲間の手を借りるが――。 一途な純愛ゆえに罪をおかす、ピカレスクロマン登場。 ◆ (アク金対策でひらがな表記あり)

バロックに住む新米スリの少年・三春と
都の華族御曹司・良成の身分差BL。

健気受にツボはないけど三春は可愛いと思えました。
それは悲劇のヒロイン的な健気さではなく、
バロックという劣悪な環境でも力強く生きようとする雑草魂を感じるから。
悪の中にいながら純粋さ真っ直ぐさを失わないのも魅力。

甘いものが好きだったり、
良成にもらった金平糖を大切に味わったりという子供っぽさも可愛いの。

そして、良成を守るために
自分に出来ることを見極め、人に頼るべきは頼り、
きちんと考え行動に移す芯の強さもある。
自分の恋情を隠して…というあたりは、切ない健気さです。

それにひきかえ良成は情けない。
過去の事故への自責から心を澱ませてしまっているので
仕方ないといえば仕方ないんだけど…。

その良成の心を動かすのが三春なのです。
年上のくせに鈍感でヘタレな良成は、
これから三春にとことん尽くせと言いたいw

面白かったけど個人的には萌えないカプだったので話にのめりこむことなく読了。

脇には三春の師匠・竜胆(オトコマエな女性)、
詐欺師の桐谷(ドS)、弁護士の侑生(クールビューティ)という個性的な面々が。

ナギは桐谷と侑生の方が好みなので『凍える吐息』を読むのが楽しみ!

切り抜き保存してた雑誌『リンクス』掲載のSS『求婚』も読みました。
良成の留学で欧州に向かう船の中の二人の話。

入籍やらカミングアウトやら、良成の三春にベタ惚れっぷりが楽しい。
良成、きっとゲロ甘攻めだね( *´艸`)ムプ


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