佐田三季さん初読みです。
読友さん情報で、
パブーにてこの作品の震災復興チャリティー本が
販売されてると知りました。

読メの本編感想では、
木原音瀬さんの「FRAGILE」を彷彿とさせるらしく、
コノハラーな読友さんたちをしても
「怖い!」と言わしめてます。
(「でも好き」と書いてるあたり、さすがコノハラー!)

狂気を孕んだ執着で受を縛り付ける攻がすごい!
そのうえ、BLフィルターがほとんどかかっていない作品なので、
受はずっと攻を嫌悪し拒絶し続けますよ。

あまりの世界観なので好き嫌いが分かれる作品ですが、
木原さんの「FRAGILE」が大丈夫だった方なら楽しめるかと。
あれよりは愛を感じることが出来ますので(笑)

那義は楽しめましたよ。っつか、好き!
「FRAGILE」はラブを感じ取れないので好きじゃないですがw

あの日、校舎の階段で 著者:佐田三季 イラスト:麻生ミツ晃
ショコラノベルス BL小説 2010年7月
★★★★(4.5くらいです)

あの日、校舎の階段で (ショコラノベルス)/佐田 三季
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◆あらすじ(裏表紙)
高校の同窓会で、笠井亨は十年ぶりに元親友の遠藤圭祐と再会した。笠井に告白したゲイの同級生を遠藤が不登校に追い込んだことで仲違いしていた二人だが、また友人としてのつきあいが始まる。だが笠井は偶然、遠藤がゲイでしかも自分をずっと好きだったことを知ってしまう。友達でいい――そういう遠藤を切り捨てられず表面上は受け入れる笠井だが、執着と欲望を隠そうとしない遠藤に苛立ち、彼の前から姿を消すが――。 ◆

どこで何を間違えてこうなったのか、
どうすればそこから抜け出せるのか、
読んでいても出口が見つからないという重い閉塞感に
胸がじくじくと爛れていくような苦しさがありました。

笠井はけして偏見でゲイを嫌っているのではないのですが、
「友達でいいからそばにいさせてくれ」と言う遠藤が
毎日のように訪ねて来て、
言葉とは裏腹に劣情を色濃く含んだ視線をまとわりつかせてくる、
それがどんどんとストレスになっていくのですよ。

「気持ち悪い」…この言葉が絶えず笠井の心にあります。
そして追い詰められた笠井は、
それを露骨に容赦なく遠藤にぶつけ始めます。

逃げますよ、笠井。
でも逃げれば逃げるほど遠藤の狂気が増していくんです。

はっきり言ってしまえば、遠藤の執着はもう犯罪です。
でも…。

上に「BLフィルターはほとんどかかってない」と書きましたが、
那義の脳内では勝手にBLフィルターをかけてたようで(笑)
だんだんと遠藤が可哀相になってきちゃうんですよね。

この辺がヤンデレ好きの那義フィルターなんだろうなwww

終盤の展開が好きです。
病室で涙する遠藤の姿や、
星空の下、彼らが高校時代の思い出を語るエピソードなど、
ホロリと来そうなシーンがいくつもありました。

ただ、遠藤が笠井にここまで執着するに至った経緯と
ラストで何故、笠井が遠藤にほだされたのか
というのがわかりにくかった。

ここをもっと掘り下げてじっくり描写して欲しかった。
そしたら★5つです!

でも、余韻を残す終わり方は好きなので最後まで楽しめました。
麻生ミツ晃さんの絵もすごくよかった!表紙も口絵も大好き!
111ページの遠藤がめっちゃ怖いし!

佐田三季さん、このノベルスがデビュー2作目!
しかもこのお話はご自分のブログで公開していたものだとか。
ってことは、デビュー前の作品ってことですよね?
すごい才能じゃなかろかと思います。

デビューノベルス「つみびとの花」もシリアスモノとのこと。
これも読んでみたいです。
そして5月10日には3作目の「クライ、くらい夜の終わりに」が
発売になります。

ちょっと追っかけたい新人作家さんなので
両方買ってみようかなと思ってます。

ということで、この作品、
ヤンデレ攻の執着がツボな方にはオススメです!
那義は途中で止められなくて一気読みでしたもん!

さて、チャリティー本の番外編を読もうかな。
あと、去年買った小説ショコラの付録小冊子にも、
番外編が収録されてるのでそれも読みます!
楽しみだなぁ~わくわくです!

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