山中ヒコさんの作品、初読みです。

淡々とお話が進んでいく中に
心に響くポイントが散りばめられていて
那義の好きな作風です。

表題作・丸角屋の嫁とりとその続編、
同時収録・新しい武器とその続編、
丸角屋の描き下ろしが収録されてます。


丸角屋の嫁とり 著者:山中ヒコ
新書館ディアプラスコミックス BLコミック 2009年10月
★★★★
丸角屋の嫁とり (ディアプラスコミックス)/山中 ヒコ
¥600
Amazon.co.jp

◆あらすじ
武家の庶子である鈴は、本妻の目を恐れ男の身で女として育てられた。 美しく成長した鈴はある日、町でならず者に絡まれたところを町人の新三郎に助けられる。 以来、男というものへの憧れを育て始める鈴。 だが父から借財の方に嫁入りを命じられ……? 表題シリーズほか、年下攻リーマンシリーズ「新しい武器」を収録。 ◆


読書メーターでもすごい評判の作品ですね。

表題作も同時収録作もいいお話でした。

でも、私、「丸角屋の嫁とり」の方のカプに関して
個人的にちょっと物足りなさを感じてしまいました。

辛さ、切なさもあり、可愛さもあってよかったんですけどね。
エピソード部分をもうちょっと深く知りたいと感じたのが
物足りなさに繋がったのかも。

鈴が父の命で嫁に行ったのは
新三郎のところだったのですよ。

どうやら、新三郎は鈴を助けた時に
彼に一目惚れしてしまったようで。
札差の新三郎はちょっと荒っぽいところがあって、
鈴が男でも欲しいと強引に奪うのです。

鈴が男だとわかっていたと言う新三郎ですが
そのあたりのエピソードがなく、
いつどこで鈴の性別を知ったのか、
鈴が男であることに迷いはなかったのか
それでも鈴を娶りたいと思うほどの何を鈴から感じたのか
そういった部分も知りたいなぁと思いました。

そして鈴は新三郎の男気に触れ、
自分も男として生きたいと思い、
新三郎の傍に立てるだけの男になりたいと
行動をするのですが、
そういう鈴に対して新三郎はどう思ってるのだろう?

鈴が男でも女でもかまわないという新三郎と
男として新三郎の傍に立ちたいとう鈴が
心を通わせ、愛し合っていくまでには
それぞれに悩みや迷いや葛藤などが
あったのではと思うのですが。

鈴のうばやの孫・荘太の気持ちは
細かに描写されていて
鈴を想う荘太の気持ちがすごく切なかったです。

物足りない部分を色々書いてしまいましたが
面白かったのは本当です。
新三郎と鈴、甘々でいいですよ~。
鈴は気が強いですしねw
もうお嬢そのものって感じなのが可愛くて!

描き下ろしで新三郎のヤキモチ焼きな一面も読めますし。
なんだかによによしちゃいました。

「新しい武器」の方も
引き込まれるようにして読みました。

こちらの方が登場人物の背景、
心の揺れや変化、惹かれていく過程など
深く描かれていてすごくわかりやすかったです。

メインの二人の同僚・吉野の視点で描かれてる話が
より一層メインカプの理解を深めてくれました。
吉野自身もカプの二人から何かを感じ取って
少し成長しているのもステキです。

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