痛かった…。
サディスティックな性/癖のある攻なので
めっちゃ痛い描写が多かったです。

裏社会モノではありません。

涙の中を歩いてる 著者:水原とほる イラスト:梨とりこ
ガッシュ文庫 BL小説 2009年10月
★★★★
涙の中を歩いてる (ガッシュ文庫)/水原 とほる
¥630
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◆あらすじ
大学生の有也はある日ゲイバーで、以前病院で出会った優しい研修医の高林と再会する。しかし当時憧れていた高林は、実はサディスティックな男らしい。恋人ができるなら、高林のような人がいい――。ずっとそう思っていた有也は、高林に一晩の相手に誘われて抱かれてしまう。酷くされても、我慢すれば本気で好きになってくれるかもしれない。有也を覚えていないことは分かってるけれど、当時の優しさを忘れられず……。 ◆



有也は大学の仲のいい友達には
自分がゲイであることをカミングアウトしてます。

その友達、宏樹、美咲(♀)、真里菜は
有也がゲイでもそれまでと変わらず付き合ってくれてます。
友達には恵まれていますが、恋人はいない有也なのです。

有也は小学生のころに心臓の手術を受けていて
その時、担当してくれた心臓外科医についていた研修医のことが忘れられません。
今となって思えば、あれが初恋だったと言えます。

有也が時々一人で行くゲイバーで
思いがけずその研修医・高林と再会。
有也はすぐにわかったのですが、相手は気づいていない様子。

その高林から誘われる有也なのですが
おとなしくウブな有也を心配した店のマスターが止めます。

「若くて苛められる子を探しているSだからついていってはいけない』と・・・。

でも相手は初恋の人。
有也はついていってしまいます。

そしたらもう、ほんとに酷い仕打ちをされてしまいます。
痛くて泣き叫ぶと『うるさい』と口にタオル突っ込まれて。

そんなセッ/クスをされたのに、それでも高林が忘れられない有也。
痛いのは嫌だけど、高林が自分以外の誰かに触れることの方がもっと嫌。
だから高林に呼び出されると行ってしまうんですね。
高林の責めによる生傷が絶えない有也なので
夏でも長袖を着るしかないほどなのに。

実は高林は小児外科医。
なのに未熟な若者をいたぶるのが好き。
これはかなりまずい状況ですよね~。

18歳以上しか抱かないけれど、高林の中で
ペド/フィリアとの境界線があいまいで
いつその境界線を踏み越えてもおかしくないという闇を抱えて苦しんでます。

そんな高林を見ると、どうしても離れられない有也。
有也はMではないのですが、
どんなに自分の体が虐げられても
それはプレイだから我慢できると…。
それよりも高林の本当の心が知りたいと…。

すごく一途な有也です。

ゲイバーのマスターや、常連客のタキ、
事情を知ってしまう宏樹たちが心配するのですが
それでも高林と離れるのが嫌なんです。


読みながら心の中で
『痛いよ~やめようよ~別れようよ~』
と唸っておりました、私www

でもおとなしいくせに頑固な有也は
自分の気持ちのままに動きます。
それは読んでて納得いきます。

美咲や真里菜からは乙女扱いされてる有也ですが
なかなかどうして行動派なんです!
高林を求めてどんどん突き進みますしね!
そうなってくると、『頑張れ!』って応援したくなる。
(o ̄ー ̄o) ムフフ

その甲斐あって、少しずつ、ほんの少しずつ、高林の中で変化が。

心底相手を想う恋の力はすごいなぁ~
有也の存在が高林の心の闇を消してくれますように。。。



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