徳間書店キャラ文庫 BL小説 2008年9月
★★★★
- ただ、優しくしたいだけ (キャラ文庫)/水原 とほる
- ¥560
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◆あらすじ
2ヶ月の期間限定で、ゲイの叔父の恋人を預かることになった隆次。イタリア人とのハーフだというアズは、痩せて色気の欠片もない未成年。抱く相手にもならず面倒なだけで、つい邪険にしてしまう。けれど隆次の言動に一喜一憂するアズは、全身で懐いてきて…!? 他人のものだと知っていても、無垢な天使をこの手で汚したい――庇護欲と劣情が妖しくうねるアダルト・センシティブLOVE。 ◆
いやもうアズがかわええ~!
およそ色気とは縁のないような
痩せっぽちの痛々しい外見なのですが
性格がめっちゃかわいいのですよ。
まさに純真無垢な天使!
芸術的な才能があって、
隆次の家でも毎日何枚もの絵を描いたり
紙を使ったオブジェを創作したりしてます。
日本語がカタコトなので、
ちょっと頭のゆるい子だと
隆次は当初思っているのですが
実際は頭もよく、感受性も強く、
実年齢は19歳なのできちんと物事を理解してるのです。
ただトラウマを抱えてもいるので
臆病だったりもします。
隆次は、アズを預かってしばらくは、とても冷たいです。
すごく邪魔者扱いしてます。
でも、初めて抱いてしまった時は叔父に対する罪悪感とともに
アズを可愛いと思ってしまった自分に戸惑ってます。
もともとアズを抱く気は全くなかった隆次なんです。
華奢で中性的で幼げなアズは範囲外の存在だったのですよ。
隆次は誰とも本気の恋愛をしたことがない淡白なやつで
性/欲処理は、気のあう明彦というセフレですませてます。
でもその明彦が隆次の留守中に
媚/薬を使って無理矢理ヤってしまったのです。
明彦に対して怒り心頭な隆次ですが
媚/薬で苦しむアズを、口で楽にしてあげるんですね。
その時のアズの反応があまりにも可愛くて、つい…←
それ以降、隆次の心に激的な変化が起こります。
いまだかつて湧いたことのない感情。
アズが可愛いとか、愛おしいとか、守ってやりたいとか
そういった感情が溢れてきて
隆次の気持ちがまっすぐにアズに向かっていきます。
叔父・連の行方や、連とアズの関係などは
予想通りの展開だったのですが
それでも、隆次とアズの心の繋がりが深まっていく過程が
温かくて優しくて、とても引き込まれました。
中盤からラストにかけて
胸がジーンとくる場面や、
ホロリとくる場面が多くて…。
『アズは、好きになった人に好きになってもらったことがない……」
というアズのセリフに胸が締め付けられましたよ~(。ಥˇωಥ)
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