日付を見たら2ヶ月前に下書きに入れたままになってました。2月頃の気持ちがよく表れた記事かなと思います。
たまには、アカデミックすぎる話をしようと思います
2次元複素多様体の図示です、これを一般化すればn次元複素多様体の図示も可能となります
簡単に説明すると、まず、1次元複素多様体とは局所的に見れば複素平面1枚と同じものと見なせるようなものです
n次元複素多様体とは、局所的に見れば複素平面n枚と同一視できるものです
複素多様体があるということは、実多様体というものも存在します
実多様体の方が初歩的なもので、これは局所的に見ると実数と対応します
例えば、2次元の実多様体とは、局所的に見ると平面と同一視できるようなもので、平面はもちろん、球面やコンタクトレンズなどは2次元の実多様体と言えます
実多様体は比較的イメージしやすいですが、複素多様体はけっこう難しいです
ちなみに、普通、複素多様体と言ったら1次元の複素多様体のことを意味します
1次元の複素多様体に関することだけで、たくさんのおもしろいことが分かっています
そして、n次元複素多様体に関する諸々の結果は1次元の場合とは大きく異なります
1次元で考えたことをそのままn次元に適用することが困難になります
複素1次元(複素平面1枚のこと)は実2次元に対応して、空間の中に絵が描けます
一方、複素2次元は実4次元に対応していて、一般に4次元の絵を描くのは難しいです
このことからも複素1次元と複素2次元の"違い"を感じ取れます
このような難しさのある2次元複素多様体を自分の納得いく形で図示していく、というのが今僕が考えていることです
複素であり多変数であるのでなかなか抽象度が高いです
普段やる他の数学はもう少し現実的なものではありますが、数学科だからと言って計算をたくさんしているわけではありません
上の画像を見ると、数字や計算は少ないことが分かるかと思います
数学をやっているからなのかは分かりませんが、僕は以前よりも少し理屈っぽい性格になったかもしれません
しかし、数学をやっていて一番おもしろいと思うことは特有の「得体の知れなさ」です
抽象度の高い数学を理解するにあたって、二つの方法があると思います
一つは、とにかく証明を繰り返すこと
もう一つは、主張をできるだけ自分のイメージできるカタチに噛み砕いて理解すること(具体例を考えるなど)
この二つを完璧にやってこそ完全な理解が得られます
そして、新しい発見をする際には、先に感覚的に予想を立ててから、厳密な証明・説明を加えることが多いと思います
終わり

