リーマン面というのは数学の言葉です
例えば、、
この絵を見て何を思い浮かべるでしょうか?
ドーナツとか浮き輪とかが思い浮かびます
この図形は数学の世界では、よくトーラス(torus)と呼ばれます
トーラスはリーマン面の一例で、厳密には種数1のコンパクトリーマン面とか種数1の向き付可能閉曲面とか言ったりします
せっかくなのでお昼はドーナツを食べました
トーラスは数学において十分おもしろい研究対象なんですけど、お菓子の世界のトーラスことドーナツもなかなかおかしなものです
何と言ってもその形に注目せざるを得ません
すなわち、なぜ中心に穴を開けたのかということです
これについて考えてみたのですが、大きな理由としては、作りやすさなのかと思います
他の理由として、見た目が良いというのも考えられますが、この見た目のためにわざわざ穴をあけて大量生産を興じているのはおかしな話だと思いますから、あくまで副産物と考えるべきです
また、より美味しくなるというもっともらしい理由がありますが、これに関しては、そもそも美味しいものを作ろうとしているわけで、作りやすいということはより美味しいものを作りやすいということを意味します
この点で、美味しさと作りやすさをここでは同値なものと考えます
では、この形だとどうして作りやすいのか?という話になります
ドーナツを作る際、オーブンか何かで焼くという工程があるかと思います
このとき、中心に穴があいている分、火が通りやすいのだと思います
普通、表面から熱が伝わっていくはずなので球や円柱型の場合、その中心ほど熱が伝わりづらいと考えられます
ドーナツ型はその中心がないので、熱を伝えるべき部分が減っただけでなく、穴ができたことで新たにそこから熱を伝えることが可能になります
3次元空間において球というのはとてつもなく対称性のある立体であるように思えます
しかし、熱伝導の点では球よりもトーラスの方が対称性を保持していて、より均一に熱が広がります
大きすぎてさすがに2人では食べきれませんでした
しかし、トーラスの構造を説明するにはちょうどいい形です
まず、ロールケーキの断面は円になっています
このロールケーキの両端を手で持って、両端の断面同士を貼り合わせます
するとドーナツ型になるかと思います
注目すべき点としては、円の構造が2種類あるということが挙げられます
一つは、はじめの断面
もう一つは、両端を繋げて輪っか=円を作るという点です
トーラスには円が2つ入っていて、その円というのは2次元の対称性のある図形です
これを3次元空間において見たときに、何か対称性が現れるのはそれほど不思議ではないと言えないことはないでしょう
日々トーラスのことを考えているので、ときどきドーナツのことをトーラスと言いそうになります
ドーナツを食べるときはトーラスを食べている気分です
トーラスを喉に通らす、みたいなことです
指輪もトーラスの形です
指にトーラスを通らす、みたいなことになります
輪投げは文字通りトーラスを通らす遊びですね


